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オランダ代表、凋落の因果。国際舞台で競争力低下、暗黒時代脱出のために必要なこと

オランダ代表が苦しんでいる。昨年のEURO出場権に続き、来年のロシアW杯出場権も逃してしまった。強豪と呼ばれていたのはほんの数年前。ヨーロッパの予選で苦しみ、W杯への切符をつかめないほどの低迷に至ったのはなぜだろうか。これは暗黒時代の始まりなのか、それとも一時的なものなのだろか。(取材・文:中田徹【オランダ】)

text by 中田徹 photo by Getty Images

「オランダはフットボールの小国になった」

オランダのW杯予選敗退後、現地誌『フットボール・インターナショナル』は表紙が真っ黒だった
オランダのW杯予選敗退後、現地誌『フットボール・インターナショナル』は表紙が真っ黒だった【写真:中田徹】

『フットボール・インターナショナル』誌の10月12日号は、まるで喪に服すかのように、表紙が真っ黒だった。そこにはKNVBのシンボルであるライオンと「オランダはフットボールの小国になってしまった」という白抜きの文字だけがあった。

 2010年南アフリカW杯で準優勝、2014年ブラジルW杯で3位に輝いたオランダ代表はこの4年間で一気に凋落し、2016年EURO、2018年ロシアW杯と2大会続けてビッグイベントへの道を断たれてしまったのだ。

 巻頭言で同誌のクリスチアーン・ルーシンク編集長はロッベンの後継者不在を嘆く。

「オランダ代表のアイコンだったルート・クロルが1983年、欧州選手権の予選で負けて代表を引退した時、すでにロナルド・クーマン、ルート・フリット、マルコ・ファン・バステン、ビム・キーフト、フランク・ライカールトといった次世代の選手たちが育っていた。それはフランク&ロナルド・デ・ブール兄弟、フィリップ・コクー、パトリック・クライファルトの時代が終わる時にも同様で、ラファエル・ファン・デル・ファールト、ウェスリー・スナイデル、ロビン・ファン・ペルシ、アリエン・ロッベンが次の時代を引き継いでいった。そして今は静かだ。悲しいくらいに静かだ」

 一方、「タレントはいる」と記したのは、現在は評論家として活躍するロナルド・デ・ブールだ。

「ユスティン・クライファルト、マタイス・デ・リフト、ドニー・ファン・デ・ベーク、フレンキー・デ・ヨング(以上、アヤックス)、ケニー・テテ(リヨン)、ティモシー・フォス・メンサー(クリスタル・パレス)、メンフィス・デパイ(リヨン)、アンワル・エル・ガジ(リール)、スティーブン・ベルフワイン(PSV)、リシェドリー・バズール(ウォルフスブルク)、リック・カルスドルプ(ローマ)。そして、残念ながら今は重傷を負ってしまったけれどカルバン・ステングス(AZ)といったタレントがオランダにはいる」

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