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Jリーグ 7年前

茂庭照幸、20代前半で「最も輝いていた」選手が30代後半まで現役を続けられている理由【谷間の世代と呼ばれて】

シリーズ:「谷間の世代」と呼ばれて text by 元川悦子 photo by Getty Images

目標の「36歳まで現役」はクリア。「次は38、40くらいまでやりたい」

 こうした経験を2010年南アフリカ、2014年ブラジル両ワールドカップにつなげてほしかったが、2007~2009年の相次ぐケガで日の丸を背負うチャンスは遠のいた。

 2009年末にはFC東京との契約も満了となり、2010年にセレッソ大阪へ移籍。2014年にはバンコクグラスで1年間プレーし、翌2015年にはFC東京時代から関係の深い大熊清強化部長からの誘いでセレッソに復帰している。

 この年から2シーズンはJ2でのプレーを余儀なくされたが、持ち前の献身性とリーダーシップでJ1復帰に貢献。今季プロ18年目のシーズンを戦っている。

「今季はJ1に絡めてないけど、みんなが『出たい出たい』とエゴを出してチームがバラバラになったら話にならない。それに今、天皇杯もルヴァンカップも監督がうまくターンオーバーでやってくれてるから、俺自身にもいいモチベーションになってますよね。

 2007~2009年は肩の脱臼を機に体のバランスが崩れて暗黒時代だったけど、セレッソに戻ってきてからまた体も動くようになったし、ケガなしにやれてるのはいいこと。自分の目標は36歳まで現役を続けることだったけど、そこはクリアしたんで、次は38、40くらいまでやりたいですね。

 俺らは『谷間の世代』って言われてきたけど、息の長い選手は沢山いると思います。『黄金世代』は最初から輝いてて、今もなお輝き続けているから別格ですけど、僕らの世代もみんな輝くものを持っててそれを各々磨き続けてきた。だから、ここまでやれてるのかなと感じますね」と茂庭は分析する。

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