森島寛晃氏が見たC大阪の新たな歴史。2度の悲劇を経て、ついにたどり着いた初タイトル

2017年11月06日(月)12時05分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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ビールかけをしたい思いはあったものの「ビールは自分で飲みます!」

セレッソ大阪の歴史に2017Jリーグルヴァン杯優勝という新たな1ページが加わった
セレッソ大阪の歴史に2017Jリーグルヴァン杯優勝という新たな1ページが加わった【写真:Getty Images】

「いままでの『勝負弱い森島』というのが、サポーターの声援とともにようやく取れたというか。僕はグラウンドでずっと練習をながめているだけですけど、みんなから勝ちたいという思いと勝負に対するこだわり、最後まであきらめない姿勢というものを感じていました」

 盟友でもあるユン監督の厳しくも優しさ、楽しさがあふれる指導のもとで、変貌を遂げつつある今シーズンのチームにひそかに手応えを感じていた。ルヴァンカップ制覇でそれが確信に変わったいまだからこそ、感慨に浸る間もなく、セレッソに携わる一員として次なる目標を見すえている。

「来シーズンのACL出場権獲得というところで、リーグ戦でも十分に可能性がありますし、何よりも天皇杯でここ(埼玉スタジアム)に来られるチャンスがありますから。監督もミーティングで締めていたように、これで気が抜けるのではなく、さらに貪欲さを出していけるようにしないと」

 優勝の可能性こそ消滅したものの、残り3試合となったリーグ戦では3位につけている。来年元日の決勝戦が埼玉スタジアムで行われる天皇杯全日本サッカー選手権でも、ベスト4に進出しているセレッソには、立ち止まっている時間はない。

 ゆえにルヴァンカップ制覇の喜びを分かちあう、祝勝会の類はシーズン中には開催しない。シーズンオフも現時点で未定だ。3度の準優勝を経験した天皇杯を含めて、5度の“2位”を経験している森島氏は、実はプロ野球のようなビールかけをする夢を抱いていた。

 幻に終わった2000シーズンのファーストステージの続編を、望んでいるわけではない。喜びを爆発させ合うことで、さらにタイトルを獲得したいという貪欲さが芽生える。その中心で泡まみれになる自分自身の姿を、いつしか思い描いてきた。

「そういう気持ちはずっと頭のなかにありましたけど、何よりも優勝したこの瞬間を味わわないと。だから、ビールは自分で飲みます!」

 ルヴァンカップ制覇を触媒にして成長のスピードがさらに加速され、強豪クラブの仲間入りを果たすセレッソの輝く未来を確信しながら、森島氏はサッカー小僧のような天真爛漫な笑顔を弾けさせた。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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