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Jリーグ 6年前

川崎F・谷口彰悟の激怒。奇跡の逆転優勝への覚悟。人事を尽くした先に待つ天命

text by 藤江直人 photo by Getty Images

キックオフ数時間前に届いた吉報。2015年以来の日本代表入り

E-1に挑む日本代表に選ばれた谷口。2015年以来となる代表復帰となった
E-1に挑む日本代表に選ばれた谷口。2015年以来となる代表復帰となった【写真:Getty Images】

 キックオフの数時間前には吉報も飛び込んできた。12月9日から味の素スタジアムで開催される、EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会に臨むハリルジャパンに、小林、MF大島僚太、阿部浩之、小学校時代から大津高校、筑波大とすべて同じ道を歩んできたひとつ下の幼馴染、車屋とともに選出された。

 谷口にとっては前身の東アジアカップを戦った、2015年8月以来の日本代表復帰。まだ見ぬワールドカップの舞台へ。年齢的にも最初で最後のチャンスだと思っているからこそ言葉も弾む。

「大枠のなかに入っていてよかったなと。かなり遠ざかっていたので、正直、もう入っていないのかなというのもありました。どういうかたちであれ代表に入って、監督の手元に置かれて、新しいものを見せることもできると思うけど、そこは実際に集まってからの楽しみという感じですね」

 12月4日から都内でスタートする代表合宿に臨む前に、最後の大仕事が待っている。等々力陸上競技場に大宮アルディージャを迎える、同2日の最終節で勝利し、アントラーズが引き分け以下ならば悲願の初タイトルをJ1制覇というかたちで手にすることができる。

 シーズンを通してけが人が多かったフロンターレのなかで、ここまでただ一人、33試合、全2970分間にわたってフルタイム出場してチームを支えてきた。アルディージャ戦まで中2日と肉体的には過酷でも、充実している精神面が疲れを感じさえない。

 奇跡を起こすためには、まずはアルディージャから勝ち点3を奪うこと。レッズ戦で遭遇した最大のピンチは、日々の積み重ねに導かれた冷静かつ一瞬の判断力で乗り切った。人事を尽くした先に天命が訪れることを信じて、谷口は最後の大一番へ心と体を整える。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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