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香川真司 6年前

新監督就任で香川真司の立場は? 復活遂げたいドルト、“初陣”の最重要課題

text by 本田千尋 photo by Getty Images

勝ち点確保が必須。香川はベンチスタートか

香川真司
ドルトムントMF香川真司【写真:Getty Images】

 もっとも、現在の危機的状況を考えれば、マインツ戦で獲得するのは“勝ち点1”で十分なのではないか。何より優先するのは、敗北を避けること。

 せっかく監督を交代したにもかかわらず、ここで負けるようなことがあれば、流れが好転するどころか、さらに悪くなってしまうだろう。16日には第17節ホッフェンハイム戦、20日にはDFBポカール3回線のバイエルン・ミュンヘン戦と、格上相手との試合が待っている。守備に重きを置いて、マインツ戦を乗り切りたいところだ。

 このようにシュテーガー監督が、守備に特化した戦い方を選択するのであれば、マインツ戦で香川真司は、戦術的な理由でベンチスタートになるかもしれない。中盤ではマリオ・ゲッツェもゴンサロ・カストロも負傷離脱しているため、先発出場の可能性が全くない訳ではない。

 だが、オーストリア人の指揮官は[4-3-3]を得意とはしておらず、トーマス・トゥヘル前々監督からボス前監督と続いた戦術的な流れは、ひとまず途切れることになるだろう。香川にとっては、また改めてチーム内での立ち位置を確立する必要がありそうだ。

 何より“初陣”で新監督が攻撃的な布陣を採用することは考えづらく、まずはベンチから出場機会を伺うことになるだろうか。

 もっとも、ケルンで2部を戦っていた頃には、現浦和レッズ所属のMF長澤和輝を起用するなど、“異質な10番タイプの導入”にも興味はあるようである。昨シーズンは人材不足のチーム事情も重なったが、FWの大迫勇也をトップ下に起用して、ゲームを作る役割を託してもいる。

 シュテーガー新監督が、中盤の創造性を完全に排除してしまうことはないだろう。遅かれ早かれ、背番号23の出場機会は増えてくるはずだ。

 もちろんマインツ戦で出番が巡ってきたら、チームが苦境を脱するため、勝ち点の確保に全力を注ぎたいところだ。

(文:本田千尋【ドイツ】)

【了】

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