検証:ハリルJ、日韓戦4失点の要因。組織の不徹底、判断ミスによる負の連鎖【識者の眼】

2017年12月19日(Tue)11時52分配信

text by 河治良幸 photo Getty Images
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2失点目はあまりにもったいなかったファウルから

自身のボールコントロールが大きくなったところからファウルを与えてしまった車屋
自身のボールコントロールが大きくなったところからファウルを与えてしまった車屋【写真:Getty Images】

 このシーンでゴール前は三浦弦太がキム・ミヌ、昌子源がキム・シンウクをチェックし、ファーサイドから中に入ってきているイ・ジェソンを車屋紳太郎が見ており、アンカーの今野泰幸がリベロ的な形で最終ラインに吸収されるという状況だった。

 ここで難しくなるのが右インサイドハーフの井手口陽介のポジショニングだが、倉田秋と土居聖真が中盤のスペースを埋めており、相手の状況を考えてもサイドラインのケアに行くべきだった。

 結局、縦にえぐってきたキム・ジンスに対し井手口が遅れながら対応に行ったがクロスを上げられてしまい、ゴール前でキム・シンウクに合わされる結果となったが、マークしていた昌子の手前に出ると見せかけて、外に開いて合わせるというのはJリーグでも札幌のジェイなどが得意とする動きだ。

「紳太郎とコミュニケーションを取ろうと思ったけど、紳太郎がいなかったので、少し迷っていました。自分の対応に。あのままファーについていって、僕と(三浦)弦太の間をあけるのか。そのタイミングでニアにこられたらって迷っているタイミングで上がってきたので、非常にもったいなかった」

 そう振り返る昌子としては高さに勝るキム・シンウクに対して周りを見ながら対処しようとしたことが裏目に出た形だが、仮に合わせられても体を付けておけばあれだけフリーでコースを狙われることはなく、GK中村が守備範囲で対応できたかもしれない。

 その後はしばらく守備のブロックを作る韓国に対して日本がサイドを起点に攻めようとするも、ボールを引っ掛けられてカウンターを受ける状況が繰り返された。チョン・ウヨンに逆転の直接FKを決められる前のシーンでは車屋がロングボールをヘディングで跳ね返したものの、そのボールをキム・ミヌに拾われ、そこを今野がマークしてミスパスを誘うところまでは守備が機能していた。

 しかし、こぼれ球を前に運ぼうとした車屋がボールコントロールに失敗し、ボールを拾いにきたチュ・セジョンを危険なタックルで倒してしまった。チョン・ウヨンのFK自体は見事で、角度的にはキム・ジンスが左足で狙いそうな位置で、壁のタイミングがズレたことも頭上を抜かれた要因だが、非常に危険な位置でFKを取られた形があまりにもったいなかった。

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