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Jリーグ 6年前

【英国人の視点】2018年のJ1をけん引する6チーム。充実の川崎F、名古屋は昇格即優勝も夢ではなく

約1ヶ月後に開幕するJリーグ。今季の戦いに向けて各クラブは戦力の補強を行ってきた。ビッグネームの移籍も実現し、注目を集めそうだ。2018シーズンをリードするのはどこか。現時点で見れば、いくつかのチームが栄冠に近い位置にいると言えそうだ。(取材・文:ショーン・キャロル/翻訳:フットボールチャンネル編集部)

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

前年王者の川崎F。齋藤学が持つ爆発力と意外性

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昨季王者の川崎フロンターレ【写真:Getty Images】

 Jリーグのシーズン開始まであと1ヶ月となったが、各クラブが2018年の戦いに向けてメンバーを完成させるまでの時間はまだたっぷりと残されている。

 とはいえ、トレーニングキャンプやプレシーズンの親善試合もすでに開始されている。来週にはもう柏レイソルがAFCチャンピオンズリーグの予選を迎えるのも確かだ。オフシーズンの移籍の動きの大半はすでに完了したと言えそうだ。

 この早い段階で、何らかの見通しを立ててみる試みも不可能ではないだろう。選手の獲得や放出の動きに関して特に目を引くクラブは川崎フロンターレや浦和レッズ、名古屋グランパスといったところだ。

 前年王者としてシーズンを迎えるという未知の領域に踏み込む川崎Fだが、補強を怠ってはいない。最強の力を持っていてもさらなる強化に努めようとしている。

 多摩川を挟んだFC東京で厳しいシーズンを過ごした大久保嘉人の復帰は、普通の年なら補強の目玉だとみなされていたことだろう。だが川崎Fは横浜F・マリノスから齋藤学も獲得。これにより大久保は今後12ヶ月間、話題性の面でも、おそらくは出場時間を争う上でも、脇役の側に回ることを余儀なくされそうだ。

 同地域のライバルチームからキャプテンを引き抜くことは、それだけでも衝撃的な補強だ。さらに生え抜きの選手でもあり、クラブのレジェンドからほんの1年前に背番号10を引き継いだばかりであったことも考えれば、より大胆な動きだと実感できる。

 だが、ビジネスとして巧みな一手であることは間違いないとしても、齋藤はフロンターレの複雑なプレースタイルに自然とフィットする選手だと感じられるわけではない。鬼木達監督が選手たちに要求する繊細なタッチや技巧とは異なるものを持った選手だ。むしろ彼がもたらすのは爆発力や意外性であり、おそらくはそういったものを攻撃陣に加えることこそが獲得の理由だろう。

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