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香川真司 6年前

見違えたドルトの「異なる表情」。やはり隠しきれないわずかな「隙」

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「アグレッシブ」一辺倒で変わらぬ失点

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ライプツィヒと引き分け。見えた課題も【写真:Getty Images】

 しかし、先制したのはライプツィヒだった。29分。シュールレがスローインからのボールを受けるや否や、ナビ・ケイタに奪われる。すかさずギニア代表MFにスルーパスを通される。抜け出したジャン=ケヴィン・オギュスタン。左足できっちり決められた。一瞬の隙を突かれた失点。9分にもエメル・トプラクとマヌエル・アカンジのCBコンビが、不用意なパス交換をティモ・ヴェルナーに奪われ、ショートカウンターを食らっている。前に向かうアグレッシブな姿勢こそ取り戻したものの、守備面でわずかにほころびが生じてしまった。その意味では、実質的には前節アウクスブルク戦と変わっていないのかもしれない。

 38分にはマハムート・ダフートのスルーパスに抜け出したロイスが、GKペーター・グラシをかわし、すかさず同点ゴールを決める。しかしこれ以上の反撃は叶わなかった。63分にダフートが左サイドを単独で突破し、ゴール前にボールを折り返したが、バチュアイはミートできず。次第に試合のペースをライプツィヒに握られるようになると、終盤にかけては防戦一方となった。それでも最後のところではやらせず、ドルトムントはゲームを1-1のドローで終えている。

 もちろんライプツィヒは、チャンピオンズリーグに出場した実力を持つチームであり、そのスタイルはブンデスに所属するほとんどのチームが手を焼くものだ。しかし失点の場面は、周囲のサポートも含め、もう少し注意を払えば防げたかもしれない。さらに十分な対策を講じて逆転勝利を収めたアイントラハト・フランクフルトに比べれば、真っ向からアグレッシブに挑み過ぎたかもしれない。

 対戦相手のスタイルを考慮に入れながら、攻守のバランスをどのように取るか。8日に控えるELのラウンド16、FCレッドブル・ザルツブルク戦に向けて、一定の課題を持ち越した、RBライプツィヒ戦だった。

(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

【了】

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