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Jリーグ 6年前

横浜FMの喜田拓也、6年目の進化。アンカーで感じる「面白さ」、勇気と挑戦の体現者に

text by 舩木渉 photo by Getty Images

充実のプロ6年目。「戦えるマリノス」の象徴へ

喜田拓也
喜田拓也は昨季、リーグ戦でキャプテンマークを巻く機会もあった。今季も引き続き副キャプテンを務める【写真:Getty Images for DAZN】

 マリノスは開幕から2試合で1分1敗と結果がだけが出ていない。もちろん1人で状況を一変させることはできず、チーム全体でポステコグルー監督が掲げる新たなスタイルの完成度を高めていく必要がある。喜田の言葉からは今季のクラブのスローガンでもある「Brave and Challenging ~勇猛果敢~」につながる決意が感じられた。

「仮にうまくいかなくてもチャレンジし続ける姿勢だけは失わないように。このサッカーをやっていくにはそういう姿勢も絶対に大事だと思う。勇気や自信は絶対に大事になってくるポイント。自分たちで後ろ向きになってしまったら絶対に成立しない。どんなサッカーもそうでしょうけど、特に今、そう実感しているので、たとえミスが起こったりしても下向かないでやっていかないと。そのチャレンジの姿勢だけは失わずやっていきたい」

 そして8月に24歳を迎える若さながら副キャプテンを務め、在籍年数の長い喜田にはチームリーダーの1人としての自覚も生まれてきている。

「気づけばこんな感じ(トップ昇格6年目)になり、もちろん自覚や責任は持っているし、マリノスで育ってきて、いろいろなことを見てきた。いろいろなことにチャレンジしながらやってきた。今年も新しいことにチャレンジしているし、そこで良い結果を残せればみんなの自信になっていくと思う。新しいマリノスといったら変ですけど、アグレッシブな姿だったり、戦えるマリノスを見せていきたいし、そこで自分の力を発揮出来るようにやっていきたい」

 忍耐強く新たなスタイルの完成に向けてまい進する、その先頭に立って進化を続けるのが喜田拓也である。まだ勝利という結果は出ていない。それでも柏レイソルとのJ1第2節を終えたあと「いやあ、今日はしんどかった」と語る彼の表情からは、12km以上を走り切ったことによる疲労感だけでなく、新たな役割に「面白さ」を見出しながらプレーできている充実感も漂っていた。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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