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鳥栖FWイバルボ、亡き戦友アストーリに捧げる今季初ゴール「言葉がない…」

text by 編集部 photo by Getty Images

イバルボ
サガン鳥栖のFWビクトル・イバルボ(左)とダビデ・アストーリ(右)はカリアリとローマ時代のチームメイト【写真:Getty Images】

 明治安田生命J1リーグ第3節が10日に行われ、アウェイに乗り込んだサガン鳥栖は横浜F・マリノスに2-1で今季初勝利を収めた。

 序盤の12分にチョ・ドンゴンのゴールで先制した鳥栖は、横浜FMのパスワークを積極的なプレッシングで寸断していく。そして後半の57分、ビクトル・イバルボがPKで今季初ゴールを奪ってリードを2点に広げた。

 終盤87分にウーゴ・ウィエイラのゴールで1点差に迫った横浜FMだが反撃及ばず、今季リーグ戦初勝利を逃している。

 シーズン開幕前からコンディションを崩していたという鳥栖のFWイバルボは、7日に行われたYBCルヴァンカップの湘南ベルマーレ戦に途中出場して公式戦に復帰。そして横浜FM戦がリーグ戦の今季初先発だった。

 圧倒的なフィジカル能力で相手ゴールに迫り続けたコロンビア人ストライカーは、PKながら今季初得点も記録した。このゴールには、今月4日に31歳の若さで突然亡くなったフィオレンティーナのイタリア代表DFダビデ・アストーリへの特別な思いがこもっていた。

 イバルボとアストーリはカリアリ時代に3シーズン半、さらに移籍先のローマでも共に戦った仲。今季初ゴールを決めた横浜FM戦後、イバルボは「アストーリとは特別な関係だった。ゴールした瞬間には彼に捧げるという思いが自分の中にあった。ここで終わりにしてほしい。言葉がないので…」と、目に涙を浮かべ、言葉に詰まりながらも亡き戦友への思いを語った。

 鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督も試合後の記者会見で「みなさん見てのとおり、ヨーロッパでも日本でもずば抜けた能力のある選手で、彼は絶対にクオリティの高いプレーができる選手。このままコンディションを上げていって、チームに力を貸し続けてくれることを願っている」と述べ、イバルボの復調に期待を寄せている。

 ようやく万全の状態に戻りつつある怪物ストライカーは、友への思いを胸に秘めながら鳥栖の勝利のために邁進していく。

【了】

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