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Jリーグ 6年前

炎の守護神・川口能活、プロ25年目の決意。J3相模原の旗頭として背負う2つの使命

text by 藤江直人 photo by Getty Images

8月には43歳。川口が相模原の「流れを変えられる」か

川口能活
川口能活がSC相模原でピッチ内にとどまらずピッチ外でも重要な役割を担う【写真:Getty Images】

 迎えた今季、ナイター照明こそ設置されたが、その他の状況はなかなか進展していない。行政を動かすためにも、ピッチのなかで確固たる実績を残し続ける必要がある。こんなにいい成績を残しているのになぜ、という世論が高まれば、必ずポジティブな変化が生まれると川口も信じている。

「自分たちがどんなにお願いしたところで、結果が出なければなかなか振り向いてくれない。スポーツは勝ってなんぼだし、結果を残してなんぼですから、そこはこだわってやっていかないと。可能性がある限りは、(上のカテゴリーへ)昇格するための土台作りに関われるように頑張っていきたい」

 まだまだ時間を要するかもしれない。それでも、きっかけさえ生まれれば、行政を巻き込む形で状況が変わってくる。昨季J3を制しながらJ2へ昇格できなかったブラウブリッツ秋田が、今季は一転してJ2クラブライセンス申請の動きを加速させている。

 ライバルチームが置かれた状況に勇気づけられ、背中を押されている。だからこそ、2015シーズンこそ4位と奮闘しながら、2016シーズンは11位、昨季は12位に甘んじている相模原を再び浮上させるためにも、個人のパフォーマンスを上げることがまず大事になると力を込める。

「個人のパフォーマンスがよくなければ、当然ながらチームの結果にもつながらない。自分が悪いのにチームのパフォーマンスがいいということはあり得ないので、11人のうちの一人として、しっかりとしたパフォーマンスを演じ続けることにこだわっていきたい。

 ピンチで失点すると全体がガクッとなるし、逆に防ぐことで流れを引き寄せられるし、その後の味方の得点にもつながる。そこはGKの醍醐味というか、自分自身の真骨頂なので。僕が点を取るのは難しいけど、これからもようなプレーをしていきたいですね」

 勝利を積み重ねた先に待つ壮大な目標へ。1990年代から自身の象徴としてきた真っ赤な炎と、年齢を重ねるごとに色濃く漂わせてきた穏やかな青き炎を絶妙のバランスで同居させながら、チームキャプテンを務める現役最年長GKは、AC長野パルセイロを迎える17日のホーム開幕戦に臨む。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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