フットボールチャンネル

日本代表 6年前

W杯メンバー23人、“サプライズなし”が勝利への近道。西野監督が期待する『経験』による相乗効果【宮澤ミシェルの独り言】

シリーズ:宮澤ミシェルの独り言 text by 青木務 photo by Junichi Ebisawa , Getty Images

『経験』を象徴する長谷部

 西野さんは、サプライズ的な選手起用はしないかもしれないけど、短期決戦だし、そういうチャレンジがあっても面白いのかなと思うよ。23人の中でのやりくりという意味では、もう何でもありだから。これからスイス、パラグアイとテストマッチを行って、色々なものが見えてくると思う。

 例えば、「やっぱり右ウイングバックは原口(元気)より酒井宏樹で行かないと、コロンビア相手には守備の面でキツイか」となるか。今の日本は不動のメンバーっていない。だからこそ、この2試合はポイントだよ。

 3バックと4バックの併用を西野さんは考えているけど、長谷部(誠)に関しては3バックの中央で考えているんじゃないか。長谷部の能力と西野さんの求めるボランチの役割があまり一致していないと思う。捌きの中で横パスが多いし、攻撃参加となった時にそこまで器用じゃない。

 ただ、チームの中にいてもらわないと本当に困る選手。長谷部の素晴らしいところはそこなんだ。ドイツでも、何であれだけ生き残れるかと言ったら、ドイツ人に足りないところ、そのチームに足りたいものを彼が全部受け持っているんだと思う。彼がいるとチームが100%の力を出せる。だから監督は重宝する。それは長谷部の能力だよね。

 最初に言った『経験』というものについては、長谷部はまさにそういう選手。足りないものを補える。経験があるからこそわかることだよね。

 でも、今の日本代表でボランチに持って行っても、長谷部でどんどん日本が攻撃的に出て行くという風には西野さんは考えていないと思う。遠藤(保仁)でやってきた人だから、ボランチ・長谷部というのはハマらないのかな。だったら、山口蛍と大島(僚太)のコンビの方が攻撃はできると思っている、と。

 ボランチって防波堤になる役割も必要なんだけど、例えば山口と大島は出場国中で最も小柄なボランチコンビじゃないか。ただ、このチョイスに西野さんのカラーが出ている。ゲームを動かせるから。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top