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日本代表 6年前

西野J、1トップ争いを制すのは誰だ!? パラグアイ戦に燃える岡崎慎司、最後のアピールへ

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ハリルとはサッカー観合わず。復活のチャンスで見せたいもの

 縦に速いスタイルを志向したヴァイッド・ハリルホジッチ前監督時代は、最前線でボールを収めて味方が攻め上がる時間を作れるFWが重用された。その仕事を得意とする大迫が絶対的な存在だったと言っても過言ではない。

 岡崎もアジア最終予選序盤はスタメンに名を連ねていたが、所属のレスター・シティでジェイミー・ヴァーディーと2トップを組んでいることもあり、「求める役割と違う」と指揮官に判断され、次第に出番が減っていった。今年4月の監督交代がなければ、もしかしたら彼はこの場にいなかった可能性もあるのだ。

「あんまりいない人(ハリル)のことを言いたくはないんですけど、前の監督も『こういうサッカーをしていこう』という明確な戦術はなかった。ただ、1トップのイメージ像はかなり具体的に持っていたし、そういう話し合いもしてました。逆に今は『勝つためだったら1トップだろうが、2トップだろうが、手段を選ばない』ところがある。

1トップ固定じゃないし、選手によって幅が広がるとは思う。僕もただ前に張っている状態から裏を狙うんじゃなくて、いったん引いてから裏を狙うとか、動きのあるプレーをしたい。ダイナミックなプレーが今の代表には必要だと思うから」

 復活のチャンスを得た岡崎は西野監督の下、より柔軟に前線をかき回したいと考えている。これまでにはできなかったことを自由にやれるプラス効果を生かして、攻撃に活力を与えられれば理想的だ。

 その前段階として、前からハメにいく守備をするか、引いて守るかというプレスのスイッチを入れる役目が彼には託される。もともとレスターでも無尽蔵な運動量とボールへの執着心を前面に押し出して守備のスイッチ役を担っているが、それと同じようなことが西野ジャパンでもできれば、高い位置からスピーディーな攻撃を繰り出せる回数も多くなる。

 今の岡崎が絶好調時と同じレベルの走力と献身性を示せるかはパラグアイ戦を見てみないと分からない。そういった部分を含め、岡崎にとってのパラグアイ戦は3度目の大舞台のピッチに立てるか否かの最終テストになる。それは紛れもない事実だ。

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