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日本代表 6年前

西野J、見えた戦い方。香川・乾ユニットであえて守備重視、90分間ハイプレスの大博打【日本代表/ロシアW杯】

 現地時間19日、いよいよ日本代表がロシアワールドカップ初戦を迎える。相手はコロンビア。この難敵相手にどのように戦うのか。長い合宿を経て、その取材からようやくチームの骨格が見えてきた。(取材・文:植田路生【カザン】)

text by 植田路生 photo by Getty Images

劇的に変わった西野ジャパン、そして見えた骨格

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乾貴士と香川真司【写真:Getty Images】

 いよいよ日本代表のロシアワールドカップ初戦・コロンビア戦まであと1日と迫った。西野朗監督はどのようなイメージで戦おうとしているのか。5月中旬の国内合宿、6月からの欧州合宿、その間の3つのテストマッチとロシアでの合宿を経て骨格がくっきりと見えてきた。

 西野ジャパンはガーナ戦、スイス戦、パラグアイ戦で様々なフォーメーションを用いて、選手起用も試合によってガラリと変えてきた。

 ガーナ戦では突如3バックを試行して驚きを与えたが、後に3バックはオプションに過ぎないことを監督が明言した。始めからオプション想定だったのか、あるいは出来が悪かったからオプションに格下げしたのかは定かでない。

 だが、当初は5バックのようになることを懸念しながら、最近では3バックは守備固めの一環でベタ引きする場合の戦術、つまり5バックになることをいとわないことを示唆している。西野監督は記者会見での発言に嘘と本音をちりばめており、表面上の言葉だけをもって分析すると痛い目を見る。

 スイス戦とパラグアイ戦は【4-2-3-1】で戦っており、これが基本フォーメーションとなる。この2試合で試したかったことは共通している。それは距離感とスピードだ。どこからプレスをかけていくのか、どうやって連動して守っていくのか、ボール奪取から攻撃までにどれだけスピードアップできるか。これらを指揮官は見ていた。

 西野監督は就任当初から「チームは劇的に変えられる」と自信を持っており、その通りにパラグアイ戦ではこれまでと比べ物にならないほどチームは躍動した。スイスとパラグアイのレベル差はあるものの、合宿中取り組んできたことがフィットしたのがパラグアイ戦であり、ようやく骨格ができあがったのだ。

 そして攻撃陣のユニットも定まった。【4-2-3-1】の【3】は、左から乾貴士、香川真司、原口元気でいくはずだ。

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