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日本代表 6年前

博打に勝った西野監督、腹の括り方に感嘆。8強も見据えた先発変更、最善の形で決勝Tへ【西部の目/ロシアW杯】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

先発6人変更とW酒井が形成した右サイド

 コロンビア、セネガル戦と続いた先発メンバーから6人を入れ替えた。昌子源に代わって槙野智章、ロベルト・レバンドフスキとマッチアップした。長谷部のポジションには山口蛍。前線は大迫勇也、香川真司から岡崎慎司、武藤嘉紀の2トップへ。左のワイドは乾貴士ではなく宇佐美貴史、右には酒井高徳が起用された。右サイドは酒井宏樹とのW酒井である。

 ポーランドはサイドからしか攻めてこない。W酒井はポーランドの左サイドを封鎖する意思がはっきり表れていた。逆サイドも守備を考えれば宇佐美よりも他の選択肢があったが、こちらは攻撃の手を残したかったのだろう。それにしてもかなり思い切ったメンバーチェンジだ。疲労度と日程を考慮しての人選だろうが、決勝トーナメントへの布石ともいえる。ベスト8入りの意欲満々なのだ。

 立ち上がりの日本はボールが足に付かない。ただ、ポーランドもそれは同じで12分にはペナルティーエリア内でプレゼントパスをもらって岡崎のヘディングシュートまで持っていく。13分には武藤がカットインからシュート。W酒井に左を閉じられたポーランドは右から攻め、32分には決定的なヘディングシュートを放つが、GK川島永嗣がファインセーブ。どちらもパスワークがぎこちなく、日本は宇佐美、武藤に強引さが目立つ。得点への意欲はわかるが、自分の形に持っていこうとするためかアイデア不足は否めない。

 ポーランドのビルドアップはクリホビアクを抑えてしまえば機能しない。ここは岡崎が警戒してフリーにしなかった。ビルドアップを阻害し、サイドを封鎖してしまえば、最大の脅威であるレバンドフスキにボールは渡らない。前半0-0は想定内だろう。

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