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躍動するネイマール。PSG好調の要因、新指揮官がもたらした新たなスタイルとは?

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

CLベスト4へ。完成度をさらに高められるか

 冒険的な3バックは、オートマチズムという点では当然ながらまだまだで、不用意なボールロストも多く、ケラーはデビュー戦ということもあってムニエとの間にスペースを許して相手に突かれる場面もたびたびあったが、ベルギー代表でも3バックシステムで一列手前の右サイド、というポジションは板についているムニエは、「オートマチズムが完成すれば、より攻撃に比重がかけられるこのシステムは絶対に機能する。これこそ僕ら(PSG)がやるべきシステムだったんだ」と試合後に手応えを語っていた。

 トゥヘル監督は「選手全員が、自分の強みを最も生かせるポジション」を模索中だという。

 実際、昨年とほぼ同じメンバーで、目標=チャンピオンズリーグ(CL)優勝、少なくともベスト4入りを実現するには、今ある戦力に工夫を施して、出力をさらにアップすることが求められる。

「もう練習試合はない。すべてが真剣勝負だ」

 と、新監督も厳しいチャレンジであることを匂わせたが、プレシーズン中にテストの機会が与えられなかったからには、実戦の中で試行錯誤していくしかない。その点、開幕からの数戦で強豪対決がなかったのは幸運だったともいえる。

 CL初戦を迎えるまでのあと2試合で、気鋭の戦術家はどこまで完成度を高められるか。

(文:小川由紀子【フランス】)

【了】

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