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躍動するネイマール。PSG好調の要因、新指揮官がもたらした新たなスタイルとは?

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

ネイマール起用法のコツを掴んだトゥヘル

パリ・サンジェルマン
トゥヘル新監督(左)はネイマール(右)起用法のコツを掴んだのかもしれない【写真:Getty Images】

 GKは、開幕から2試合スタメンだったイタリアのレジェンド、ジャンルイジ・ブッフォンから、アルフォンス・アレオラにチェンジ。

「ブッフォンを下げるのは辛いが、アレオラは5月以来プレーしていないから、プレータイムが必要」と、次のニーム戦を合わせた2戦はアレオラを起用し、その後、正GKについて判断を固めていく意向をトゥヘル監督は示した。

 負傷中のマルコ・ヴェラッティを除き、ほぼ今季を戦う正イレブンが揃ったところで斬新だったのは、彼が不在の守備的中盤のポジションに、昨季もほぼレギュラーで出場していたMFジョバンニ・ロ・チェルソではなく主戦場はセンターバックのマルキーニョスを起用したことだ。

 エムバペと双璧をなすチームきっての俊足マルキーニョスは、最終ライン一歩手前で早めの防御を担当、相棒のラビオは攻守の中継役と、中盤の真ん中2人の役割分担は明確だった。

 トップの3人は、エムバペとカバーニが2トップ気味に並び、ネイマールは一歩下がった位置で完全なフリーロールを与えられた。自陣深くまで下がってビルドアップの起点になったり、12分のカバーニの先制点をアシストした場面では、右側にワイドに開いて後方からのボールを受けてセンタリングと、ネイマールは生き生きとピッチ内を泳ぎまくった。

 ブラジル人FWは開幕からの全3試合で得点と現在絶好調だが、その様子を見る限り、ネイマールの使い方に関してトゥヘル監督はすでにコツをつかんでいる気がする。自在に動けるこのシステムが心地良いのか、ピッチ上の彼はエネルギーに満ち溢れている(ように見える)。

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