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香川真司 6年前

ドルトムント、“ロイス・システム”で出発進行。ベンチ外の香川真司、起用法はいかに?

text by 本田千尋 photo by Getty Images

“ロイス・システム”で香川に生きる道は?

香川真司
レバークーゼン戦ではベンチ外となった香川真司【写真:Getty Images】

 白い腕章を巻いてチームを鼓舞する背番号11は、左右に広く動き、トップ下でボールを引き受けてボールを回しながら、アタッキングサードに入って決定的な仕事をする。ファブレ監督が託す「9.5番」を体現するドイツ代表FW。

 85分、ロイスを中心にボールは動き、ハキミが入れたライナー性のクロスを、ゴール前に飛び込んだパコ・アルカセルが点で合わせて勝ち越し弾を奪う。さらに試合終了間際、カウンターからパコ・アルカセルがダメ押し弾。背水から逆転劇を演じたドルトムント。2-4のスコアでレバークーゼンに勝利した。

 そして、ロイスをセカンドトップに置く[4-4-2]こそが、やはりファブレ監督が探し求める“最適解”に最も近いようだ。すでに14日のフランクフルト戦で片鱗を見せたが、これまで試されてきた[4-3-3]や[4-2-3-1]よりも機能している。

 もちろんニュルンベルク戦とレバークーゼン戦の2試合で上手くいったからと言って、この先戦う相手にも通用するとは限らない。しかし「9.5番」のポジションで圧巻のパフォーマンスを見せるロイスに、わざわざ違う役割を与えて他の場所に動かす理由も見当たらない。背番号11を中心に据えた[4-4-2]、いわば“ロイス・システム”こそが、ドルトムントが現有戦力で持ち前の攻撃力を遺憾なく発揮できる布陣のようだ。

 このレバークーゼン戦で、ローテーションの一環か、香川真司はまたもベンチ外。かつてファブレ監督は、香川のポジションもロイスと同じく「9.5番」と説明した。過密日程が続く中、どこかでスピードスターが休むタイミングも出てくるはず。ポジションを争う相手は、同時に最高のお手本でもある。これからまた巡ってくるはずのチャンスを活かすためにも、ロイスから「貪欲に」何かを吸収し続けたいところだ。

 “最適解”という目的地へと向かう最終列車は動き始めた。このまま乗り遅れるわけにはいかない。

(取材・文:本田千尋【レヴァークーゼン】)

【了】

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