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日本代表 6年前

南野拓実の類稀な得点感覚。ELで決勝弾、日本代表にもつながるザルツブルクでの起用法

text by 舩木渉 photo by Getty Images

好調を維持して日本代表へ

南野拓実
南野拓実は日本代表の一員として臨むパナマ戦やウルグアイ戦でどんなプレーを見せてくれるだろうか【写真:Getty Images】

 翻ってELのセルティック戦では2トップの一角に。そうなるとゴールに近いポジションにとどまれるため、味方がボールを保持していれば、常に相手ディフェンスラインと駆け引きし、シュートを放つための適切なポジションを見つけるのも容易になる。

 相方には広範囲を動き回れてポスト役にもなれる柔軟なタイプがふさわしい。ザルツブルクではダブールと好連係を築いているが、日本代表なら大迫勇也とのコンビが両者の特徴を発揮する上で最適だろう。

 実際、セルティック戦ではチームの武器の1つであるサイドからのクロスに、南野がヘディングで合わせてチャンスになったシーンは3回あった。そのうちの1回は、南野が右からのクロスを頭でファーサイドに逸らし、ヴォルフの折り返しに詰めたダブールの同点ゴールにつながっている。

 日本代表では9月のコスタリカ戦でトップ下を務めたが、ザルツブルクでの活躍ぶりを見れば、これからもトップ下で起用し続けるべきだろう。日本の4-2-3-1は守備時に4-4-2になるため、守り方もわかりやすく、1人ひとりにかかる負担のバランスも偏りがない。大迫のような起点にもフィニッシャーにもなれる万能型ストライカーと組むことで、南野の相手ディフェンスラインと駆け引きする力や、シュートスキル、ラストパスのセンスを生かすこともできる。

 ザルツブルクは現在リーグ5連覇中、今季もリーグ戦は開幕から9連勝と「勝って当たり前」の状態。ELにも参戦しているため、マルコ・ローゼ監督はローテーションを敷いてバランス良く選手を起用している。南野も直近のリーグ戦はベンチ入りしながら出場はなく、フレッシュな状態でセルティック戦に臨めていた。

 このままいけば、国内では相変わらずの敵なし。ELでも躍進が見込めるだけにローテーションも続くだろう。おそらく南野もメンバー構成に合わせてトップ下と2トップの一角という2つのポジションで起用されるはず。その中でゴールという結果を出し続ければ、ダブールの相方としての地位を確立でき、日本代表への定着にも大きな後押しとなる。

 コスタリカ戦を終えた後、南野は日本代表での初ゴールを決めたにもかかわらず「僕自身も今日は全然満足してない」と語っていた。その思いを胸に戦って、結果を残してきた1ヶ月。ヨーロッパでの成果を持ち帰ってのパナマ戦とウルグアイ戦でのパフォーマンスが楽しみだ。

(文:舩木渉)

【了】

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