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日本代表 6年前

【パナマ戦プレビュー】森保J、試されるロシアW杯組と次世代の融合。今こそ見つけたい新たな可能性

text by 河治良幸 photo by Getty Images

ボランチのバランスを見出すには?

 ボランチはコスタリカ戦でスタメンだった青山敏弘と遠藤航のコンビをそのまま継続させるのか、柴崎がどちらかに入るのかが注目ポイントになる。組み立てやゲームコントロールに優れる柴崎。大きなタイプ分けでは青山と重なる部分はあるが、柴崎は「また青さんとは違ったタイプなのかなと僕自身は感じてますけど、そこは監督がどういったことをするのかによっても変わります」と語る。

 基本的には縦に正確なパスを入れていく能力が高い青山に比べ、柴崎は広い視野を生かしてワイドに組み立てながら、機を見て縦を狙っていく。ともに守備では高い位置でボールを奪いにいくプレーを得意とするが、青山はJ1で優勝争いを演じるサンフレッチェ広島で、バランスワークやカバーリングも身につけており、共存は可能だ。

 ただ攻守のバランスを重視する森保監督だけに、チームの心臓であるポジションは慎重に考えるべきところ。その意味で遠藤か三竿健斗のどちらかは先発に入ることが考えられる。もともと前所属の浦和レッズでは3バックの一角を担うなど、守備のスペシャリストのイメージが強い遠藤だが、ベルギーでは中盤で継続的に起用され、攻撃面にも磨きをかけている。コスタリカ戦では南野のゴールをアシストするなど「やっぱりゴールに関わるプレーは増やしていきたい」という姿勢を示したが、さらにテーマとして意識しているのが中盤からの組み立てだ。

「中盤をやるにあたって最初はシンプルに1タッチ、2タッチで速く動かすイメージを自分の中では持ってプレーしてたんですけど、ベルギーに行って変わったのは中盤の選手でもある程度ボールを持ってじゃないですけど、1人剥がしていきながら展開するようなプレーというのはうまいし、日本と違って1人ひとりの距離感が遠い中でプレーをするシーンが多い」

 そう語る遠藤が相棒となるボランチの選手とどうバランスを取りながら、組み立てに新たなエッセンスを加えていくかどうかも見どころだ。また三竿も中盤でバランスをとりながら状況に応じてロングパスや3月のマリ戦で中島のゴールをアシストしたような攻撃参加もできる。実際に2日目のミニゲームでは遠藤のパスを起点に、速いクロスで柴崎のゴールを演出しており、長い出場時間を得られれば、そうした攻撃センスの見せ場も出てくるかもしれない。

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