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代表 6年前

ウルグアイ代表、強さの秘密。老将タバレスの育成改革、常に全力を保証する「JRC」とは?

text by 舩木渉 photo by Getty Images

ウルグアイ代表が掲げる「JRC」とは?

オスカル・タバレス
ウルグアイ代表のオスカル・タバレス監督は71歳になっても衰えない熱意をサッカーに注ぎ続ける【写真:Getty Images】

 ベンタンクールやフェデリコ・バルベルデのように昨年のU-20ワールドカップに出場した若手だけでなく、ディエゴ・ラクサールやジョルジアン・デ・アラスカエタ、ガストン・シルバら中堅世代も含め、現A代表選手のほとんどがユース世代からタバレス監督の薫陶を受けてきた。そして彼らは皆、さらなる成長を求めて国外へ旅立ち、代表活動のたびに師匠のもとへ馳せ参じるのである。

「ベンタンクールやラクサール、マキシ・ゴメスといった若手や、(ディエゴ・)ゴディンやスアレス、カバーニ、ベシーノなどもすべて海外へ移籍し、エリート選手が揃うヨーロッパでその力を磨いている。ロシアワールドカップでは進化しつつあるウルグアイサッカーのイメージを皆さんにお見せすることができたと思う。私たちは今後も競争力の高いチームを目指して、チーム作りを進めていきたい」

 今回来日しているチームの構成からも分かる通り、30代のベテランから20代前半の若手まで非常にバランスが良く、緩やかに世代交代を進めながらも、全員がタバレス監督の哲学を熟知している強みがウルグアイ代表にはある。

 そして彼らは、伝統の“ガーラ・チャルーア”も忘れない。タバレス監督は「私たちにはFIFAのマッチデーで必ず定めている目標がある。それを『JRC』という3文字のアルファベットで表している。これはスペイン語で『プレー(Juego)』『結果(Resultado)』そして『戦う姿勢(Comportamiento)』を意味する。私たちはそういったことも踏まえながら、日本といい試合をしていきたい」と説いた。

 どんな時も常に全力で勝ちにくるのがウルグアイ代表。指揮官は「親善試合では単に結果を残すだけでなく、新しい若手を試すことも目標」と語るが、12日には韓国代表に敗れているためアジア勢に2連敗して帰るわけにはいかないはず。日本戦ではタバレス監督が育て上げたウルグアイの最強軍団が、「JRC」を胸に襲いかかってくるだろう。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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