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日本代表 5年前

森保J、招集メンバーを総チェック。見えたチームの骨格、アジア杯への競争は最終局面へ

text by 河治良幸 photo by Getty Images

長友不在となった左SBの競争

【DF】
9月 室屋成、遠藤航、三浦弦太、植田直通、冨安健洋、槙野智章、佐々木翔、車屋紳太郎
10月 室屋成、酒井宏樹、三浦弦太、吉田麻也、冨安健洋、槙野智章、佐々木翔、長友佑都
11月 室屋成、酒井宏樹、三浦弦太、吉田麻也、冨安健洋、槙野智章、佐々木翔、山中亮輔

 1つの注目トピックは遠藤航が10月からMF枠に移動したことで、もちろんマルチロールとして重宝される部分もあるが、基本的にはボランチで起用していくという森保監督のメッセージが見えてきた。10月にロシアワールドカップ組の吉田が加わったセンターバックは三浦が3試合中の2試合に起用されるなど信頼を勝ち取っており、19歳の冨安も同じベルギーで奮闘する植田を押しのけて招集され続けている。

 センターバックは10月、11月とメンバーに入れ替わりがなく、コンディションに問題がなければ基本的にこの4人でアジアカップも戦うことになるか。その中でキャプテンマークも託された吉田が主軸になることは間違いない。三浦、冨安、槙野の3人は11月の2連戦での評価次第でスタメン候補が決まってくる。吉田のパートナー候補の1番手は三浦だが、伸び盛りの冨安、経験豊富な槙野とそれぞれに強みがあり、誰が出ても問題なく守備を安定させられるよう、2試合でどんな組み合わせをテストしていくか注目される。

 サイドバックは10月から酒井が加わり、左は車屋から長友に入れ替わった。今回はその長友も車屋もいない状況で新たに山中がチャンスを得たが、気胸の手術を行った長友はともかく、車屋はハムストリングが順調に回復すればアジアカップには間に合うので、山中としてはワンチャンスをものにするべくアピールしていく必要がある。

 現在のところ佐々木が主力候補だが、山中の非凡なポテンシャルに森保監督も期待しており、単純な主力とサブという競争関係ではなく、戦術的な要求をこなしながらも左足のキックや機転のきいた仕掛けといったスペシャリティを発揮できるかが生き残りのカギになりそうだ。

 右サイドは酒井が実績も実力も磐石と言っていいが、過密日程の連戦を得意とするタイプではなく、怪我のリスクもあるため、ここに来てプレーのクオリティを上げている室屋が成長を示せば、森保監督にとっても心強い存在となるだろう。

 右サイドバックは現時点でA代表の主力を張る人材にやや乏しいものの、”予備軍”はU-21代表を含めて多く揃っており、その意味でも室屋としてはうかうかしていられない。少なくとも2試合のうち1試合はフル出場できるためのアピールに期待したいところだ。

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