フットボールチャンネル

日本代表 5年前

三竿健斗よ、世界へ羽ばたけ。国内最高の奪取力と危機察知能力、日本代表で長谷部誠の後継者に

日本代表はロシアワールドカップを終えてから、ベテランたちがいなくなった大きな穴を埋めきれずにいる。長谷部誠をはじめとした偉大な先達たちが残したものは大きいが、去ったことで失うものも大きかった。とはいえ、今後は若い力でより大きな目標に挑む。中盤では22歳の三竿健斗が、新世代の旗手となるかもしれない。(取材・文:舩木渉)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

ACL制覇。イランでの貴重な経験

三竿健斗
三竿健斗(中央)は鹿島アントラーズのACL制覇に大きく貢献し、貴重な経験を積んだ【写真:Getty Images】

 このところ、本田圭佑や長谷部誠といったロシアワールドカップを最後に日本代表から去った者たちの「ロス」が叫ばれている。彼らの役割を引き継ぐのは誰なのか。2列目のアタッカー陣の充実には目を見張るものがあるものの、他のポジションが必ずしも安泰とは言い切れない。

 一方で、次世代を担う選手たちが国際舞台で貴重な経験を数多く積んで成長速度を上げている。U-19日本代表はAFC U-19選手権で開催地インドネシアの6万人のサポーターに囲まれた完全アウェイの一戦を制し、来年のU-20ワールドカップへ進む権利を掴み取った。

 U-21日本代表も同じくインドネシアで、負けはしたもののソン・フンミンやファン・ウィジョらA代表クラスのオーバーエイジ選手を多数擁するU-23韓国代表と大熱戦を演じた。アジア大会の銀メダルは悔しさこそあれ、誇るべき勲章になった。

 そしてAFCチャンピオンズリーグでも、鹿島アントラーズの面々が頂点に立った。日本勢としては昨年の浦和レッズに続く2年連続の快挙。決勝2ndレグでは10万人にのぼるペルセポリスのサポーターが、イランの首都テヘランの巨大なアザディ・スタジアムを埋め尽くし、鹿島の選手たちを威圧する。

 鹿島がボールを持てば、8年前の南アフリカワールドカップで大流行した「ブブゼラ」らしき、けたたましいホーンの音がスタンドのいたるところから威嚇してくる。そんな環境でペルセポリスの猛攻に耐えきり、“常勝軍団”はクラブ史上20個目となるタイトルを獲得した。

 アザディ・スタジアムでピッチに立っていた鹿島のMF三竿健斗も「あの雰囲気はなかなかない」と振り返る。「鹿島が獲ったことのないタイトルなので、それを獲って歴史に名を残すというのをずっと考えていた」という22歳は、これ以上ないほど貴重な経験を積むことができた。

「ゴールキックになった瞬間、ボールがすぐ出て、置いて、蹴るというのはJリーグではまずない。(ゴールキックに)なった瞬間にスプリントして戻ることもないので、なかなかない経験でしたけど、海外とか特にスピード感とか、ああいう感じだと思うので、経験できてよかったと思います」

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top