内田篤人はなぜ「クラブW杯より天皇杯がほしい」のか? 鹿島をファンを愛するその素顔

2018年11月23日(Fri)11時10分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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「まだまだ働かなきゃ、と思っています」

 アントラーズから2010年夏にブンデスリーガ1部のシャルケ04へ移籍。右ひざのけがに長く苦しみ、昨夏には出場機会を求めて同2部のウニオン・ベルリンへ移籍した内田を、実に7年半ぶりに復帰させた理由を、強化の最高責任者に就いて23年目になる鈴木満常務取締役強化部長はこう明かしたことがある。

「(小笠原)満男が試合に出られる機会がだんだん減ってきているなかで、アントラーズの伝統という役割を演じられることも含めて、満男の次の世代でそういう存在がまだ必要だというのも、(内田)篤人を呼び戻した理由のひとつでもある」

 アントラーズの伝統のひとつに、選手たちはライバルであり、同時に深い絆で結ばれた家族だという精神がある。黎明期に常勝軍団の礎を築いた神様ジーコの考え方は、21世紀になって久しいいまもチーム内に色濃く受け継がれる。セレッソ戦前に交わされた、内田と小田の会話はアントラーズの伝統そのものだった。

 内田がベンチで、あるいはウォーミングアップエリアで戦況を見つめた一戦は、ヴァンフォーレが繰り出すカウンターに何度も冷や汗をかかされながらも1-0で逃げ切った。負傷者が出た相手が10人になった時間帯にカウンターを発動させ、FW土居聖真が豪快なミドル弾を突き刺した。

 チャンスの匂いを全員が共有する、試合巧者らしい戦い方で手繰り寄せたベスト4進出は、さらなる過密日程をも誕生させた。来月16日に予定されていた浦和レッズとの準決勝(カシマサッカースタジアム)がJ1最終節から中3日の同5日に、24日の決勝(埼玉スタジアム)が同9日にそれぞれ繰り上げられた。

 アントラーズがアジア王者として臨むFIFAクラブワールドカップが、来月12日からUAE(アラブ首長国連邦)で開幕する。準決勝に勝ち残った時点で、当該チームは同22日まで試合が組まれる。天皇杯決勝と重複する事態を避けるための措置が、ヴァンフォーレ戦の勝利で正式に決まった。

「自分はACL(の決勝)とか、大事な試合でピッチに立っていなければいけない立場だと思っているけど。チームも勝ってくれて、こうやってまだ先に伸びているなかで戻って来られたのは嬉しいし、まだまだ働かなきゃ、と思っています」

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