「『まだサッカーを続けているよ』と言えるように」
酒井宏樹【写真：Getty Images】
人生初のトライアウトを経験した仙石は、アピールの場があることへの感謝を口にした。
「ありがたいですよね。選手会にこういう場を与えてもらったので、次のチームを決めていい報告ができればと思います」
そして、「いい報告」を届けたい相手は他にもいる。それは酒井をはじめとする戦友たちだ。
「同期もサッカーを続けていて、負けないようにという気持ちはいつもあります。酒井の活躍も刺激になりますし、比嘉（厚平）が『みんなにはできるだけサッカーを続けてほしい』とコメントしている記事も読んだことがあります。あの頃、みんなで切磋琢磨して頑張ったものを簡単に手放すわけにはいかない。年末に集まることが多くて、みんな出席率もいいので（笑）、その時に『まだサッカーを続けているよ』と言えるように」
黄金世代と呼ばれる仙石の代の柏U-18は、世界の舞台でもインパクトを残した。彼らが高校3年の時、ビジャレアル国際トーナメントというユース年代の大会に出場。リバプール、アヤックスといった強豪を破って3位入賞を果たしている。仙石はMVPに選出される活躍を見せ、欧州クラブの注目を集めた。
プロになった選手の数もさることながら、今も現役でプレーしている選手が多い点もこの世代の力を示すものだ。実力だけでなく情熱も飛び抜けていた彼らは、今も互いを意識する。戦友の存在も現役生活を後押ししているのではないか。
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