日本代表を翻弄…アジアカップのVAR運用プロセスを検証。得点取り消し&PK獲得は正しかったのか?

日本代表は24日、AFCアジアカップ2019の準々決勝でベトナム代表と対戦し1-0の勝利を収めた。これで準決勝進出を決めたが、モヤモヤは残る。この試合で今大会初めて導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が試合を決定づける大きな要因となったからだ。今回はその運用は適切だったのかを検証する。(取材・文:舩木渉【UAE】)

2019年01月25日(Fri)13時50分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images, Shinya Tanaka
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ベトナム戦でVARが大活躍

VAR
日本対ベトナムでは2度、VARによるオン・フィールド・レビューが活用された【写真:Getty Images】

 初めて導入された最新テクノロジーが、結果的に試合の勝敗を左右することとなった。24日に行われたAFCアジアカップ2019の準々決勝、日本代表はベトナム代表に1-0で勝利を収め、準決勝への切符を勝ち取っている。

 この試合では、アジアカップで初となる「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」が導入された。ロシアワールドカップなどでも用いられたことで知名度を獲得した、誤審を防ぐための施策である。

 VARは別室に設けられたモニタールームから、様々なアングルの試合映像を確認して主審に助言を与える。「最小限の介入で最大の利益を」という理念のもと、誤審によって試合が壊れてしまわないよう、あくまでピッチ上の主審をサポートうるのが役割だ。

 24日の日本戦では、VARによって2度判定が覆る事象があった。1つ目は24分、コーナーキックから吉田麻也がヘディングシュートで決めたゴールの場面。そして2つ目は53分に堂安律がペナルティエリア内で相手選手に倒された場面だった。

 前者ではゴールが取り消され、後者では一度ノーファウルで流されていたがVARの介入によって日本にPKが与えられた。堂安の決勝ゴールはこのPKによってもたらされる。いずれも主審によるオン・フィールド・レビュー(ピッチ脇のモニターによる映像確認)ののちに判定が覆されている。

 国際サッカー評議会(IFAB)がロシアワールドカップ前にまとめたVARのテスト結果によれば、「重大な誤審」は3試合に1試合程度の割合で見られ、VARを用いない判定は約93%が正しいという。またオン・フィールド・レビューが行われた試合は3割ほどだった。

 最新のサッカー競技規則にはVARの運用方法についても明記されている。そこでは「サッカーの試合においてVARを用いる場合、様々な原則に基づかなければならない」とされ、「VARは試合映像に自主的にアクセスできる審判員であり、以下に関する『はっきりとした、明白な間違い』または『見逃された重大な事象』の場合にのみ主審を援助する」と介入に関する基準が定められている。

 VARが用いられるのは、(1)得点か得点でないか、(2)PKかPKでないか、(3)退場(2枚目の警告によるものを除く)、(4)人間違い、という4つの条件に当てはまり、「はっきりとした、明白な間違い」や「見逃された重大な事象」があると判断できる場合のみだ。そして最終的な判定を下すのは主審であり、「はっきりとした、明白な間違い」であると判明した場合を除いて一度下された判定は変更されない。

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