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日本代表 5年前

アジアカップ準決勝、イランを自滅に追い込んだ日本代表。それを可能にした唯一無二の存在【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Shinya Tanaka , Getty Images

前半のポゼッション59%の意味

 前半、日本のポゼッションは59%だった。ただ保持率が上回っていただけでなく、大迫を経由したパスワークでイランのディフェンスライン裏への侵入ができるようになったことで、敵のカウンターを受けないまま、ポゼッション攻撃から得点する可能性が高まっていた。後方から冷静につなぐこともできていた。

 トルクメニスタン戦やベトナム戦がそうだったように、前半にボールを支配することで相手のスタミナを奪う狙いも明確にみえていた。たとえ得点できなくても、イランの長所を消すことができる。押し込んで足を使わせれば後半にパワーを残させないこともできる。

 唯一、この試合の課題をあげるとGKからのポゼッションができなかったことだ。GKからロングボールを使うケースがほとんどだった。

 大迫、南野が頑張って収めようとしていたが、それでもGKからのロングボールでは相手ボールになりやすい。もし、GKからもパスをつなぐことができていれば、前半の保持率は70%近くに上げられていたはず。それができていれば、10分間あまりイランのペースが続く時間帯は削り取れた。59%は悪い数字ではないが十分とはいえない。

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