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カタール代表、エースFWら2人に衝撃の不正疑惑。実は代表資格なし!? 波紋呼ぶUAEの告発

日本代表は1日にAFCアジアカップ2019の決勝に挑む。だが、タイトルをかけた大一番を前に対戦相手のカタール代表の周囲が騒がしくなっている。なんとエースストライカーを含む主力の2選手に代表資格がなかったのではないかという疑惑が浮上しているのだ。真相はいかに…。(取材・文:舩木渉【UAE】)

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Al Ittihad

あるオーストラリア人記者の告発

アルモエズ・アリ
カタールのエースFWアルモエズ・アリに不正疑惑が。実は代表資格を持っていなかった!?【写真:Getty Images】

「カタール代表選手のうち何人かは、本来代表でプレーする資格を持っていないのではないか…」

 そんな噂を最初に耳にしたのは、AFCアジアカップも準々決勝進出チームが出そろい始めた頃だっただろうか。

 きっかけはオーストラリア人記者のスコット・マッキンタイア氏がツイッターに投稿したコメントだった。

「アルモエズ・アリやバッサム・アル・ラウィを含む何人かのカタール代表選手の適格性に疑いがあると聞いている。2人はどちらもカタール国外で生まれ、5年の滞在要件を満たしていない(FIFAの規則で要求されているように、彼らはまだ23歳になっていない)」

「加えて、家族の繋がりが国(カタール)と繋がっているかにも疑問がある。FIFAのルールに基づくと、代表資格を得るためには両親か祖父母の誰かがカタール生まれでなければならないし、5年間の居住ルールも満たすことができない」

 マッキンタイア氏は、続けてFIFAの規約の中で定められている「新しい国籍の取得」の部分のスクリーンショットも投稿した。ここで争点になっているのは第2章の「法令の適用を管理する規則」の中の第3項「代表チームでプレーする資格」に含まれた第7条である。以下、FIFAが公開している最新の2018年夏版より日本語に訳して引用する。

「第5条の第1項を参照して新たな国籍を取得し、第5条の第2項に従って代表選手としてプレーしたことのない者は、以下のいずれかの条件を満たした場合に新たな代表チームでプレーする資格を得る」

 その条件とは以下だ。

(a)彼は関連する協会の領域内で生まれた
(b)彼の生物学的な母親、または生物学的な父親が関連する協会の領域内で生まれた
(c)彼の生物学的な祖母、または生物学的な祖父が関連する協会の領域内で生まれた
(d)彼は関連する協会の領域内で、18歳に達した後、少なくとも5年間継続的に生活してきた

 ちなみに第5条の第1項というのは「特定の国の居住地に依存しない永住国籍を持つ者は、その国の協会の代表チームのためにプレーする資格がある」と定めたもので、第2項では一度でもA代表として公式戦に出場した場合に「鞍替え」が不可能なことを規定している。

 また「代表チームでプレーするための資格」は同第6条で定められており、先に挙げた4つの条件のうち(a)〜(c)までは同じで、(d)のみ「関連する協会の領域内に継続して最低でも2年間居住してきた」となっている。

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