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Jリーグ 5年前

鳥栖・松岡大起。17歳の俊英は、久保建英だけじゃない。“3つの顔を持つ男”の青春の日々

text by 藤江直人 photo by Getty Images

お気に入りのキャラクター。背番号「41」への思い

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FC東京の久保建英【写真:Getty Images】

 ピッチ上で幾度となく火花を散らし、もつれ合ってともに倒れ込んだシーンもあった。試合後の久保は、松岡に対してこんな言葉を残している。

「ルヴァンカップも含めて、1週間で2試合、フル出場している。自分ならかなり消耗してしまうところで、今日も90分間プレーしていた。声もすごく出していたし、気迫もあった。同じ年の自分が言うことじゃないですけど、若いのにあのがむしゃらさはすごいと感じました。これから2人ともどうなるかわからないですけど、いつか一緒に代表でプレーできる日がくれば、と思っています」

 FC東京戦における松岡は、最終的に3つのポジションでプレーした。新外国人のMFイサック・クエンカがデビューした60分から右サイドハーフに回り、直後に2枚目のイエローカードをもらったMF高橋秀人が退場すると、最終ラインの前に並んだ3枚のボランチの右を務めた。

「自分は(中盤の)どこのポジションでもやれる自信はあるので、そのポジションに入ったときの役割にプラスアルファ、得点に絡めるシーンを出せていけたら、と考えています」

最も得意とするのは、U-18で務めるボランチとなるだろう。憧れの選手を聞くと、フランス代表のエンゴロ・カンテ(チェルシー)という名前が返ってきた。身長169cm体重65kgとほぼ同じサイズの体に、常人離れしたスタミナとボール奪取術を搭載する中盤の汗かき役を目指している証だ。

 ボランチに強いこだわりをもつからか。昨シーズンの「42」から「41」へ変更された背番号に、笑顔を浮かべながら「この先、もしもプロへ上がれたときも、できればこの『41』でプレーできれば」と胸中に秘めてきた希望を打ち明ける。

 漫画週刊誌『ビッグコミックスピリッツ』(小学館刊)で連載されている、人気サッカー漫画『アオアシ』を愛読している。お気に入りは主人公の青井葦人ではなく、高校2年生ながらJリーグでデビューしている栗林晴久。その背番号が、今シーズンの松岡と同じ「41」だからだ。

「プロのサッカー選手も圧倒するような(栗林晴久の)キャラクターが、ものすごくカッコよくて。ボランチというポジションでも似ているんです」

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