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Jリーグ 5年前

2014年Jリーグ。フォルランが来日も…セレッソはまさかの降格。GK山岸の伝説ゴールも【Jリーグ平成全史(22)】

シリーズ:Jリーグ平成全史 text by 編集部 photo by Getty Images

主な出来事

ディエゴ・フォルラン
セレッソ大阪に加入したディエゴ・フォルラン。しかしチームはJ2降格を喫した【写真:Getty Images】

 この年のJ1では大阪の2クラブの明暗がハッキリと分かれる形になった。ガンバ大阪はJ1復帰1年目のシーズンとなっていたが、宇佐美貴史、パトリックの強力2トップの爆発もあり、ブラジルワールドカップ明け以降勝ち点を量産。第33節、ヴィッセル神戸戦に勝利したことで、このシーズン初の首位に立った。最終節の対徳島ヴォルティス戦はドローに終わったが、2位・浦和レッズ、3位・鹿島アントラーズがそれぞれ敗れたため、優勝が決まった。J1昇格1年目でのリーグ優勝は、2011年の柏レイソル以来2例目であった。また同クラブはヤマザキナビスコカップ、天皇杯でも頂点に立ち、Jリーグ史上2チーム目、そしてクラブ史上初の3冠を達成したのである。

 一方2013シーズンのリーグ戦を4位でフィニッシュし、AFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得していたセレッソ大阪。シーズン開幕前には2010年南アフリカワールドカップMVPに輝いたディエゴ・フォルラン、ハンブルガーSVよりゴイコ・カチャルを獲得するなど、2014シーズンも期待値は高かった。しかし、ACLでは決勝トーナメント進出を果たしたが、リーグ戦では思うように勝ち点を伸ばすことができず、下位に沈んだ。6月にはカチャルが退団を決意し、さらにはランコ・ポポヴィッチ監督が解任された。翌月には柿谷曜一朗がスイスのバーゼルへ移籍するなど、チームの状況は決して良いと言えなかった。

 8月には柿谷の後釜としてシュツットガルトよりFWカカウをチームに加えたが、チームの調子は上がらない。ついにはポポヴィッチ監督の後任であったマルコ・ペッツァイオリ監督も解任される事態となった。そして11月29日の対鹿島アントラーズ戦に敗れ、クラブ史上3度目のJ2降格が決まった。

 J2ではこの年、湘南ベルマーレが旋風を巻き起こした。開幕から14連勝を果たし、スタートダッシュに大成功した同クラブは、第15節の対愛媛FC戦で初黒星を喫したが、以降21戦負けなしとした。その後も勝ち点を積み上げた湘南は結果的に9試合を残してJリーグ史上最速昇格を掴み取った。最終的に稼いだ勝ち点は「101」となっている。

 また、松本山雅FCがこの年、クラブ史上初のJ1昇格を決めた。J2が発足した1999年より後にJ2に加入したクラブのJ1昇格は、横浜FC、徳島ヴォルティスに次いで3クラブ目。J2加入後3年でのJ1昇格は、J2オリジナル10からの昇格クラブ(1999年の川崎・FC東京、2001年の仙台)とJ1からの降格クラブを除くと、史上最速であった。

 また、J1第2節、浦和レッズ対サガン鳥栖の一戦で浦和サポーターが「JAPANESE ONLY」と書かれた横断幕を掲出したことが問題となった。人種差別を想起させるこの横断幕は試合終了後まで撤去されることはなかった。Jリーグはこの問題を受け、浦和に第4節、清水エスパルス戦を無観客試合とするなどの処分を下した。

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