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日本代表 5年前

日本代表、懸念される「攻撃のパターン化」。万全ではない大迫勇也、チームが抱える問題点

text by 元川悦子 photo by Getty Images

安心して最前線を任せられるのはこの男しかいない

 森保ジャパンが「大迫依存症」と言われて久しいが、絶対的存在が日の丸を背負うのはアジアカップ決勝・カタール戦以来。その後、ブレーメンに戻った彼は負傷続きで4月まで公式戦復帰を果たせなかった。

 大迫不在だった3月シリーズでは鈴木武蔵と鎌田大地が代役としてテストされ、鈴木の方は持ち前の屈強なフィジカルを生かしてある程度は指揮官に認められたものの、鎌田の方はお眼鏡に叶わなかった様子。そして結局、鈴木もこの6月2連戦直前にケガをしてしまい、2度目の代表招集に応えることができなかった。

 となれば、やはり現時点で安心して最前線を任せられるのは「半端ない男」しかいない。彼がいれば、堂安、南野、中島も持ち前のスピードと推進力を遺憾なく発揮できるし、タメを作ってもらいながらゴール目がけて突き進むことも可能になる。

 そして大迫自身もアジアカップ初戦・トルクメニスタン戦や準決勝・イラン戦で合計4ゴールを量産したように、ここ一番で点を取れる。その決定力の高さが錆びついていないことを実証するいいチャンス。半年ぶりに絶対的1トップがピッチに立っている意味と価値と再確認することは、この先、カタールワールドカップアジア予選を戦っていくうえで非常に重要なポイントと言っていい。

 とはいえ、大迫は豊田での代表合宿初日は全体練習に合流せず、室内での調整を強いられた。それだけフィジカルコンディションが万全ではないということだ。今季も断続的に負傷に見舞われているうえ、30歳の大台も近づいてきているだけに、今後も必ず代表合流できるとは限らない。

 そのたびに「大迫不在の穴」が叫ばれるようでは、ワールドカップ出場権獲得も難しくなるし、3年後の本大会に行けたとしても悲願の8強入りは夢のまた夢になってしまう。そろそろチームとして異なる攻撃パターンを見出しておかなければ、苦戦を強いられるのは必至の情勢なのだ。

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