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日本代表 5年前

日本代表、懸念される「攻撃のパターン化」。万全ではない大迫勇也、チームが抱える問題点

text by 元川悦子 photo by Getty Images

岡崎慎司が懸念する「攻撃のパターン化」

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昨年のロシアワールドカップ以来の選出を果たした岡崎慎司【写真:Getty Images】

 その重要性を、1年ぶりの代表復帰となった33歳のベテラン・岡崎慎司も改めて強調していた。

「今の代表は攻撃がパターン化されている。それは1人の問題じゃなくて、チームとしての問題だと個人的に見ている。誰か1人によって勝敗が変わるようなチームでもない。それができるのは(リオネル・)メッシやクリロナ(クリスティアーノ・ロナウド)のような選手であって、そういう人間は今の日本にはいない。だからこそ、全員で攻撃できるようにしないといけないし、サコがつぶされても違うパターンで戦えるようなチームにならないとダメ。自分もそこに対してシビアに取り組んでいきたいですね」

 マインツ時代に1トップで2シーズン連続2ケタゴールを奪い、レスターではジェイミー・ヴァーディーとの2トップでプレミアリーグ制覇を達成した岡崎の発言は説得力がある。今回のFW登録は彼と追加招集の永井謙佑だけだが、3月シリーズのように南野を前に上げる策も考えられる。

 そういったバリエーションを実戦で出せるように仕上げていくことも、この2連戦で求められる課題だ。トリニダード・トバゴ戦の大迫はおそらく後半の早い時間帯に下がると見られるだけに、異なる組み合わせで攻撃の形を築いていく作業はできるはず。

 その主たる担い手が岡崎なのか、永井なのか、ゼロトップ的な陣容なのかは未知数な部分もあるが、大迫がいる時、いない時の2パターンのメドをつけることができれば、トリニダード・トバゴ戦は大いに意味のあるテストマッチになる。

 それを意識して2列目の堂安、南野、中島にも、司令塔の柴崎にもメリハリをつけながら攻めを組み立ててもらいたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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