考えられる解決策
「3バックというのは最初の形だけで、試合中にどんどん変えていくのが森保さんのやり方ですし、僕らもそういう話をしたので、最初だけ3バックという感じで、あとは試合中は4バックなのか、3バックなのか、たまには2バックにもなりますし、そこは流動的にやってきたと思いますけど、そこのクオリティという部分ではまだまだ伸びしろがあると思います」
酒井宏樹がこう語るのは4バックの時も状況に応じてポジショニングや前後の枚数を可変させてきた経験があるからだ。ファーストポジションと位置関係が慣れないと、そこからの可変にはどうしてもラグが発生するし、特に攻守の切り替わりのところで的確なポジションを取り合うのは難しいだろう。
そこを解決する1つの方法は継続して使い続けることだが、代表チームは活動期間が短く、選手の入れ替わりも発生する。
カタールがあれだけ4バックと3バックを使い分けられるのは、おおよそ招集メンバーが固定されている中で、フェリックス・サンチェス監督が継続的に指導を行い、時間も比較的取れる中で4バックと3バックの意図と運用が要求されているからだろう。
しかも、カタール代表の場合は4バックと3バックを同じメンバーで使い分けることができる。
例えばフーヒーという選手はボランチとセンターバックの両ポジションをできる選手で、4バックならアンカー、3バックなら最終ラインに入ることが可能だ。こうした布陣であれば3バックでスタートしたが、相手との噛み合わせでうまくはまらないという時にフーヒーを中盤にあげてしまうこともできるし、再び下げることもできる。そうした臨機応変な使い分けを最初から想定したプランが共有されていれば比較的、選手は混乱なく適応できる。
しかし、今回はオプションと言っても相手ありきではなく自分たちで形から入ったこと、そして本職の3バックを3人おく布陣で採用したために、3バックのための3バックに寄ってしまった部分は大きいだろう。