初めての3バックの“違和感”
キリンチャレンジカップの1試合目となるトリニダード・トバゴ戦で、森保一監督は3バックのテストに踏み切った。3-4-3(3-4-2-1)は指揮官がサンフレッチェ広島を指揮していた時代に継続して採用していた形で、A代表より半年早く就任した東京五輪代表チーム(当時はU-21日本代表)でもベースにしている。
そのことから導入そのものに意外性はないものの、いつどのタイミングでということは事前に知らされておらず、試合前にメンバーリストが配布されて本職センターバックの選手が3人含まれていたことで記者室も俄然沸き立った。
ただ、実際に試合で表現するとなると“違和感”は大きく、この2日間の非公開練習やミーティングで指導を受けてきたであろう選手たちにも行き当たりばったり感は見られた。
3バックと言ってもチームや監督によって戦術的な意図は大きく異なる。むしろその振り幅は4バックより大きい。現代の3バックは5バックと併用させる傾向が強いため、その度合いで攻守のバランスも変わってくる。
またアジアカップのカタール代表が日本に対して見せたように、3バックの間隔を狭くすることで組み立て時の数的優位を維持して、そこからサイドを起点にチャンスを作って行くベースとして用いることもある。
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