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日本代表 5年前

日本代表、次戦2列目先発は誰だ。久保建英の起用条件は? 激しさ増すシビアな競争

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

すでに始まっているW杯予選へのサバイバル

「アジア予選のサバイバルは始まってますし、個人としてそこに向けていいアピールがしたい。監督もメンバーを絞っていく段階にあると思うんで、この2連戦は選手にとって重要」と南野も語気を強めていたが、今は誰もが喉から手が出るほどゴールという目に見えた結果を渇望しているはずだ。

 2018年の森保体制発足後5試合で4ゴールとブレイクした南野も、今年に入ってからは2019年アジアカップ決勝・カタール戦の1点のみ。強い危機感を抱いている。最近の彼は肩に力が入りすぎている傾向が強いため、少し心身ともにリラックスして、ゴール前での冷静さを取り戻すこと。まずはそこから始めてもらいたい。

 体調に問題がなければ、香川もピッチに立ち、2018年ロシアワールドカップ・コロンビア戦以来の得点を狙ってくるだろう。森保ジャパン発足後の初招集となった3月のコロンビア・ボリビア2連戦は新戦力との融合がスムーズに行かず、攻撃面での違いを作れなかった分、今回に賭ける思いは強い。

「30歳になってもう僕はダメなのかなんて気持ちでやってるようじゃ生き残っていけない」とも発言していて、中島翔哉ら森保ジャパンの軸になっている若手に負けるつもりはない。今もそれだけの力があることを示せるのか。コンディション面を含めて大いに気になるところだ。

 もう1人、日本中が注目する18歳の久保もJリーグでの好調を持続している。実績ある選手たちに囲まれても全く動じることなく自然体で振る舞い、プレーできる能力は、やはり傑出したものがある。しかも彼には左足の強烈シュートとFKという武器がある。シュート技術の高さは日本代表でのトップクラスと言われ、FKではこれまでも何度かゴールを決めている。

「伝家の宝刀」が決定力不足解消の切り札になると森保監督に判断されれば、彼は重要な戦力の一員になっていくはず。そういった流れを呼び込むべく、久保には若さとフレッシュさを遺憾なく発揮してほしい。

 日本で最も人材豊富と言われるシャドーのポジション争いを制するのは、果たして誰なのか。そこに注目しながら、カタールワールドカップ予選前最後のテストマッチとなるエルサルバドル戦を見てみたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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