バルセロナ、メッシが見せた格の違い。1G2Aの圧巻の活躍と相棒との完璧なホットライン

チャンピオンズリーグ(CL)第5節、バルセロナ対ドルトムントの一戦が現地時間27日に行われ、ホームチームが3-1で勝利をした。この試合はホームのバルセロナが力の差を見せつけてグループステージ首位通過を決めた。中でも圧巻だったのは1G2Aのリオネル・メッシだった。(文:松井悠眞)

2019年11月28日(Thu)11時02分配信

text by 松井悠眞 photo Getty Images
Tags: , , , , , , , , , , , , ,

百戦錬磨のバルセロナ

リオネル・メッシとルイス・スアレス

バルセロナのホットライン、リオネル・メッシとルイス・スアレス【写真:Getty Images】

 やはりバルセロナは強かった。前節のリーグ戦は最下位のレガを相手にセットプレーからしか得点を奪えず、チャンピオンズリーグの第4節スラヴィア・プラハにスコアレスドローと攻撃陣が奮わない試合も散見された。しかし百戦錬磨のバルセロナはこういった状況でも、グループステージ突破がかかった大切な試合で勝利を手にすることが出来る。

 そのバルセロナは守備の要、ジェラール・ピケを出場停止で欠く中で、左からDFジョルニオ・フェリポ、クレマン・ラングレ、サミュエル・ウンティティを並べた。MFはフレンキー・デヨング、セルヒオ・ブスケッツ、イバン・ラキティッチを置いて、FWにはウスマヌ・デンベレ、ルイス・スアレス、リオネル・メッシの布陣で挑んだ。しかし前半25分にデンベレは負傷をしてしまい、アントワーヌ・グリーズマンと交代を余儀なくされた。

 グリーズマンが今季、バルセロナのスタイルにフィットせず苦しんでいるが、このアクシデントがマイナスになったということはなく、逆にプラスに働いた。バルセロナはこの試合、守備時に左サイドが一枚下がりフラットの4-4-2のフォーメーションを形成した。デンベレは守備を頑張る選手ではないため、このシステムには守備で貢献出来るグリーズマンの方が向いていた。

 一方のドルトムントは左からDFラファエウ・ゲレイロ、マッツ・フンメルス、マヌエル・アカンジ、ウカシュ・ピシュチェクを置いて、MFは同じく左からニコ・シュルツ、ユリアン・ヴァイグル、アクセル・ヴィツェル、アシュラフ・ハキミを並べ、2トップにマルコ・ロイス、ユリアン・ブラントを置いた。

 前半はバルセロナペースで試合が進んでいき、28分に先制点が生まれる。ドルトムント選手がパスカットをしたボールが中央にいたメッシの元にこぼれ、そのボールをダイレクトでスアレスに合わせた。それをスアレスが落ち着いて決めて先制点をものにした。

 そのわずか4分後、メッシがスアレスとパス交換で抜け出すと最後は落ち着いて決めて追加点を奪った。

ドルトムントはまたも追う展開に

 ドルトムントは前半で2得点を奪われて苦しい立ち上がりになる。なかなか相手ゴール前でプレーをすることが出来ず、チームの長所でもある縦に速く、2列目から選手がどんどん出てくるサッカーが出来なかった。これを受けてハーフタイムにドルトムントはシュルツに代えてジェイドン・サンチョを投入する。そのままシュルツが務めていた左サイドに入ると、ドルトムントは幾分か迫力のある攻撃を展開出来るようになる。

 それはサンチョが中央寄りにポジションを取ることで、左SBのゲレイロが高い位置を取れるようになったからだ。そしてゲレイロの前方に生まれたスペースを上手く突くことで相手ゴール前までボールを運べるようになった。しかし時間が経つにつれて攻める糸口が無くなっていき、逆にバルセロナに3点目を取られてしまう。

 ドルトムントは攻撃に重きを置いたため、CBとMFの間にスペースが生まれてしまう。その空いたスペースでメッシがボールを受けてドリブルで持ち上がり、左サイドのグリーズマンにスルーパス。それを落ち着いてグリーズマンが決めた。

 反撃に出たいドルトムントは75分にピシュチェクを下げて、ダン=アクセル・ザガドゥを投入してシステムを3-4-2-1に変更する。2シャドーにサンチョとロイスが入ったことにより1.5列目からの飛び出しが増え、中央に人数を集めたことでチャンスをより多く作れるようになる。

 そしてシステム変更からわずか1分後にサンチョがエリア内からシュートを打ち1点を返すことに成功。その後ドルトムントは反撃に出るが、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンの好セーブを前に追加点を奪うことが出来ずに試合終了。バルセロナがグループステージ首位通過を決めた。一方のドルトムントは、インテルが同日に行われた試合で勝利したため3位に転落、グループステージ突破へ厳しい状況となった。

メッシという存在

 この試合はチーム差が現れてしまった。最近のドルトムントは先行されてからエンジンがかかる試合が多く、立ち上がりに不安を抱えている。この試合でも前半に2失点とカンプ・ノウで最悪のスタートを切ってしまった。反撃の狼煙を上げるには少し遅く、相手がバルセロナであれば3得点を奪われては追いつくのは困難だ。何よりこの試合はドルトムントらしさが影を潜めてしまった。

 ホームのバルセロナに関しては怪我の功名ではないが、前述した通りデンベレの負傷交代がプラスに働いた。またメッシとスアレスのホットラインは言うまでもない。この試合でもお互いにゴールをお膳立て。3ゴール目のシーンもフリーのメッシにパスが入る前にフンメルスがマークに行こうとするが、スアレスがフンメルス側に流れたことにより、メッシをフリーにすることが出来た。間接的にアシストをしたと言っても過言ではないだろう。

 またメッシ個人を切り取って見ても圧巻の一言。チームスタイルがメッシ中心というのもあるが、チャンスのほとんどに絡み1ゴール2アシストの大活躍。依存という問題はあるかもしれないがこの男がいればチームは依存したくもなるだろう。メッシがドルトムントに格の違いを見せつけた。

 チームとしても素晴らしかった。ドルトムントがシステムを変更した後はバタバタしてしまい1失点を喫してしまったとは言え、失点後は高い適応力を見せた。中盤で適切な距離感を保って守備ができ中央に蓋をした。

 デンベレの負傷という不安は生まれたが、グループステージ首位通過を決めたバルセロナは良い形で週末のアトレティコ・マドリーとのビッグマッチを迎えることが出来る。一方のドルトムントはリュシアン・ファーブル監督の解任の噂も出ているが、それが加速することになるかもしれない。

(文:松井悠眞)

【了】

新着記事

↑top