ベガルタ仙台、捨てたポゼッションとサイクルの終焉。理想か現実か、悩み抜いたシーズンに【2019年Jリーグ通信簿】

今シーズンのJ1リーグも全日程が終了した。この1年を振り返り、各クラブはどのようなシーズンを過ごしたのだろうか。今回は、11位のベガルタ仙台の今季を振り返る。(文:編集部)

2019年12月24日(Tue)10時10分配信

シリーズ:2019年Jリーグ通信簿
text by 編集部 photo Getty Images
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スタイルの転換が奏功

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2019年のベガルタ仙台【写真:Getty Images】

 ベガルタ仙台にとって2019年シーズンは理想と現実のはざまで揺れたシーズンだった。昨季は天皇杯で決勝に進んだが、オフに奥埜博亮やレンタル組の野津田岳人と板倉滉がチームを去り、新たなメンバーでの再出発を図った。

 タイトル獲得を掲げ、チームに浸透させてきたポゼッションサッカーを貫こうとした仙台。しかし、開幕からつまずき降格圏に低迷。すると、4月24日のYBCルヴァンカップ第4節・サガン鳥栖戦で、3バックから4バックへの変更を決断した。

 ボールを保持して攻め込むスタイルから、4-4-2のブロックを敷いて守備を固める戦いにシフトした。しばらくは試行錯誤しながらの戦いが続いたが、第14節からは名古屋グランパス、松本山雅、FC東京、北海道コンサドーレ札幌を相手に4連勝をマーク。最終的に1試合を残して残留を確定させた。

「ボールを動かして、相手を動かして、というサッカーに取り組んでスタートしたはずだったけれども、それをやりきれなくて申し訳ない。そこにみんなを引き上げられなかったのは私の力不足」。渡邉晋監督はリーグ最終戦後のロッカールームで選手にそう伝えたという。指揮官は悩みながらも、理想を捨てて残留という現実を選んだ。

 開幕当初はボランチで起用されていた新加入のシマオ・マテがセンターバックに定着。身長180cmはセンターバックとしては小柄だが、強靭なフィジカルを武器に相手のエースキラーとして輝いた。終盤戦はキャプテンマークを巻くなどチームを統率し、Jリーグアウォーズでは優秀選手賞に選ばれている。

 永戸勝也は左サイドバックに定着すると、左足から放たれる精度の高いクロスを武器にリーグ最多の10アシストをマーク。ヴァンフォーレ甲府から加入した道渕諒平やヴィッセル神戸から加入した松下佳貴が主力に定着した。

 夏には日本代表GKのシュミット・ダニエルがシント=トロイデンに移籍したが、代役として獲得したヤクブ・スウォビィクが穴を埋めた。28歳の元ポーランド代表GKの活躍なくして今季の残留は果たせなかっただろう。

 最終的な成績は、勝ち点41の11位。昨年の11位(勝ち点45)、一昨年の12位(同41)、2016年の12位(同43)とほぼ同じ数字だ。クラブの予算規模を考えれば悪くない成績だが、変化を求めたクラブはシーズン終了後、6シーズン率いた渡邉監督との別れを告げた。

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