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Jリーグ 4年前

川崎フロンターレ、主力流出が不安要素に。若手新戦力たちの台頭で競争力アップを【2020年J1補強診断】

2020年のJリーグが開幕する。新シーズンに向けJ1各クラブはどのような補強を行ったのだろうか。今回は、昨季YBCルヴァンカップ初制覇を成し遂げた川崎フロンターレを取り上げる。

シリーズ:2020年Jリーグ補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

功労者たちが去り、チームは若返る

川崎フロンターレ
【写真:Getty Images】

 昨季、川崎フロンターレはYBCルヴァンカップで初優勝を果たした。だが、期待されていたJ1リーグ3連覇には届かず。おそらく何かを変えるべき時に来ていたのだろう。

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 シーズン終了後、ルヴァンカップ決勝のPK戦で勝利の立役者となったGK新井章太をはじめ、DF奈良竜樹、MF阿部浩之と強いフロンターレを支えた功労者たちが移籍を決断した。今季は新卒の5選手も含めて若手を積極的に補強し、チームの若返りを図っている。

 目玉となるのは大卒の2人か。東京五輪世代のU-23日本代表にも継続的に選ばれているFW旗手怜央とMF三苫薫は、昨季も特別指定選手としてフロンターレに帯同していた。順天堂大学と筑波大学から加入する2人のホープは即戦力として計算できるだけでなく、東京五輪本大会出場に向けてより多くの試合でピッチに立つため、新たな挑戦に闘志を燃やしているはずだ。

 DFマギーニョとDF馬渡和彰が揃って期限付き移籍することになった右サイドバックには、ブラジルのフェホヴィアリアからDFジオゴ・マテウスを獲得した。昨季ブラジル全国選手権2部で4アシストを記録した26歳は2人の穴を埋める即戦力として大きな期待を背負う。

 また、湘南ベルマーレでは3バックの右ストッパーを務めることが多かったDF山根視来も右サイドバックの競争に加わることになるかもしれない。センターバックとサイドバックの両方でプレーできるタフなDFは頼もしい存在となるだろう。桐蔭横浜大学から加入するDFイサカ・ゼインも、本職はアタッカーだが今季からサイドバックにコンバートされる予定だ。

 2020年を変化の年に。今季のフロンターレは、慣れ親しんだダブルボランチの4-2-3-1や4-4-2ではなく、4-3-3を採用するとも伝えられている。新キャプテンに就任したDF谷口彰悟には、陣形をコンパクトに保つための強気なラインコントロールが求められ、GKにもその背後をカバーするような広いプレーエリアの確立が求められそうだ。

 その中で、上位進出の鍵となるのはFW小林悠とFWレアンドロ・ダミアンをどう共存させるか。キャンプ中の練習試合で1試合8得点を挙げたL・ダミアンは、昨季リーグ戦9得点に終わった悔しさを晴らすべく燃えているはず。エースの小林との共存が叶えば、2人の得点力はチームの大きな武器になるのは間違いない。

 大黒柱の中村憲剛は昨季終盤戦に負った膝の怪我のため、中盤戦まで復帰できない。それまで中盤の組み合わせがどのようになるかも注目だ。レノファ山口から復帰したFW宮代大聖をはじめとした楽しみな若手も多いだけに、新たなサイクルに入ろうとしているフロンターレはどんなサッカーを展開するか。鬼木達監督の手腕が問われる1年が始まる。

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