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Jリーグ 4年前

横浜F・マリノス、J1連覇へ盤石の補強。二桁得点者4人、強烈攻撃陣が大幅パワーアップ【2020年J1補強診断】

2020年のJリーグが開幕する。新シーズンに向けJ1各クラブはどのような補強を行ったのだろうか。今回は、昨季15年ぶりのJ1リーグ優勝を成し遂げた横浜F・マリノスを取り上げる。

シリーズ:2020年Jリーグ補強診断 text by 編集部 photo by Wataru Funaki

Jリーグ2連覇&アジアの頂点を目指す

横浜F・マリノス
【写真:舩木渉】

 昨季の横浜F・マリノスは、勇猛果敢なアタッキング・フットボールを掲げて15年ぶりのJ1リーグ優勝を果たした。アンジェ・ポステコグルー体制2年目での悲願成就となった。

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 指揮官が就任1年目に「相手から恐れられるようなにマリノスにしていくつもりだ。今後も語り継がれるチームにしたい」と宣言した通り、超攻撃的な戦術が浸透した昨季はリーグ戦68得点という圧倒的な破壊力を見せつけた。

 常に試合の主導権を握りながら攻守にアグレッシブなスタイルは、「語り継がれるチーム」にふさわしい魅力を備えていただろう。そしてJ1リーグ連覇を目指すシーズンに向けて、優勝メンバーから抜けた主力級は鹿島アントラーズへ移籍したDF広瀬陸斗と名古屋グランパスからの期限付き移籍期間が満了となったFWマテウスのみ。

 パルメイラスからの期限付き移籍だったDFチアゴ・マルチンスと、同様にムアントン・ユナイテッドが保有権を持っていたDFティーラトンは完全移籍に切り替わった。軒並み残留となった他の外国籍選手たちとともに、外部からの補強よりも“大きな補強”と言える成果だ。

 一方で、オフシーズンも積極的な動きを見せて各ポジションに実力者たちを獲得した。補強の目玉は10シーズンぶりのマリノス復帰となったMF水沼宏太だろう。セレッソ大阪でJ屈指のマルチアタッカーとして評価を高めた29歳は、「昔マリノス(のトップチーム)に上がって何も成し遂げられなかった思い出しかないので、『今は違うぞ』というところを見せたい気持ちが強い」と新たな挑戦に意気込む。フィールドプレーヤー最年長として、ピッチ内外でのリーダーシップも期待されるところだ。

 京都サンガF.C.から加入したFW仙頭啓矢をはじめ、レノファ山口からDF前貴之、ツエーゲン金沢からDF山本義道、徳島ヴォルティスからFW杉本竜士とGK梶川裕嗣も獲得した。いずれもJ2クラブからの新戦力ではあるが、マリノス独自の基準によってチームのスタイルに合致すると見定められた実力者たちだ。

 山本は「練習からとにかく楽しい。このサッカーなら自分が成長できる実感がある」と語り、早くも充実した日々を過ごせている様子。前も「めちゃくちゃ頭を使う」と苦笑しつつも、意欲的にマリノスの戦術に適応すべく取り組んでいる。彼らがチーム戦術を体得すれば、チームの総合力は大幅に向上するだろう。

 そして、何と言っても強烈なのは攻撃陣。昨季J1リーグ戦で15ゴールを奪って得点王に輝いたFW仲川輝人とMFマルコス・ジュニオールは健在で、11ゴールを挙げながら後半戦を長期欠場していたFWエジガル・ジュニオも完全復活が近づく。そこに大分トリニータでキャリアハイの10ゴールを記録したFWオナイウ阿道が加わり、二桁得点者がチームに4人在籍することとなった。

 前線の選手数がやや多めなのは、外国籍選手の一部を登録から外さなければならないAFCチャンピオンズリーグでの戦いや、MF遠藤渓太が東京五輪期間中にチームを離れる可能性を見越してのもの。複数の大会を並行して戦い抜くための準備も抜かりない。

 チーム戦術のベースはすでにある程度完成されており、「アタッキング・フットボール」の成熟度はこれからどんどん高まっていくはず。そこに新戦力たちを組み込んでいければ、さらに強いマリノスが見られるだろう。ポステコグルー監督が「成功し続けることが大事だ」と強調したように、J1リーグ連覇やACL制覇といった新たな目標、そして競争に挑む選手たちにも一切の慢心はない。

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