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日本代表 4年前

日本代表ボランチの系譜。日韓W杯のゴール、ロシアW杯のアシスト、W杯を最後に引退した2人のリーダー

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

南アフリカW杯

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パラグアイ戦の先発メンバー

監督:岡田武史
戦績:ベスト16

背番号:阿部勇樹(浦和レッズ)
生年月日:1981年9月6日(28歳)
個人成績:4試合出場/0得点0アシスト

 イビチャ・オシム監督は、Jリーグで活躍する選手たちを次々と抜擢した。中盤の底では浦和レッズの鈴木啓太が中心となり、千葉時代の愛弟子・阿部勇樹が中盤と最終ラインをこなした。遠藤保仁、中村憲剛といった「エクストラキッカー」はダブルボランチの一角やトップ下で起用されている。

 しかし、オシム監督は志半ばで病に倒れ、08年からは岡田武史監督が指揮を執った。当初はオシム時代に重用されてきた鈴木や中村、遠藤が中心に起用されてきたが、08年1月に移籍したヴォルフスブルクで早々にレギュラーを掴んだ長谷部誠が岡田ジャパンの中盤の底に定着。08年9月に始まった南アフリカワールドカップアジア最終予選では、ほとんどの試合で遠藤と長谷部が先発で起用された。

 最終予選では3勝2分と勝ち点を積み重ね、アウェイのウズベキスタン戦に臨んだ。勝てばワールドカップ出場が決まるこの試合で、先制に成功した日本代表は懸命にリードを守った。試合終盤には長谷部が退場、岡田監督も退席処分となりながらも勝利を掴んだ。日本代表は前回大会に続き、世界最速で4度目のワールドカップ出場を決めている。

 しかし、東アジアサッカー選手権で韓国に敗れるなど、ワールドカップイヤーに入ってから日本代表は不振に陥った。岡田監督は打開策として戦術の変更を決断。5月の韓国戦では長谷部と遠藤の後方に阿部を置く4-1-4-1の布陣をテストしている。この試合には敗れたものの、イングランド戦やコートジボワール戦を通じて新システムに手応えを感じた日本代表はこの戦い方で本大会に臨んだ。

 1トップに抜擢された本田圭佑のゴールで先制した日本代表は、カメルーンの猛攻を耐え凌いで勝ち点3を掴んでいる。ロビン・ファンペルシー、ウェスレイ・スナイデルらタレントを擁するオランダ戦は無失点でハーフタイムを迎えたが、後半早々に失点。長谷部を下げて前線の枚数を増やしたが、0-1で敗れた。

 決勝トーナメント進出を懸けて戦ったデンマーク戦では、中盤の底に遠藤と阿部を並べる布陣がかみ合わず、立ち上がりからピンチを招いた。しかし、4-1-4-1に布陣を戻して流れを掴むと、本田と遠藤のFKで2点を先行。試合終盤にPKから1点を失ったが、岡崎慎司のゴールで突き放して勝利を掴んだ。

 パラグアイとのラウンド16にも、岡田監督はグループステージと同じ11人を送り込んだ。粘り強い守備と両サイドの鋭い仕掛けでチャンスを作ったが、得点には至らず。81分にここまでフル出場していた阿部に代えて中村憲剛を投入してゴールを狙う姿勢を見せたが、両チームともに120分間で得点は生まれなかった。

 迎えたPK戦、日本代表は遠藤と長谷部が成功させたが、3人目の駒野友一がクロスバーに当ててしまう。対するパラグアイは5人全員がこれを決め、日本代表はベスト16で姿を消した。

●パラグアイ戦の先発メンバー

▽GK
川島永嗣

▽DF
駒野友一
中澤佑二
田中マルクス闘莉王
長友佑都

▽MF
阿部勇樹
松井大輔
長谷部誠
遠藤保仁
大久保嘉人

▽FW
本田圭佑

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