日本代表の序列に大変動? 柴崎岳はダウンか。代わりにアップしたのは…【西部の目】

日本代表は現地時間13日、パナマ代表と親善試合を行い、1-0で勝利を収めた。後半開始からピッチに立った遠藤航のパスを起点にPKを獲得して先制したが、前半は攻撃が停滞。前線は南野拓実や久保建英が起用されたが、彼らをどう生かすかが見えない前半だった。(文:西部謙司)

2020年11月14日(Sat)8時33分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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不発の原因は前線の3人ではなく

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【写真:Getty Images】

 前後半でかなり差のある内容だった。

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 南野拓実をトップに置いた3-4-2-1システムを採用したが、前半は状況設定が上手くいっていなかった。南野はDFの裏をつく動きはあったもののあまりボールに絡めず。久保建英、三好康児のコンビネーションに期待したが、2人の距離が開きすぎていて不発。結局、なぜこの3人だったのか、どう生かそうとしていたのかが、前半はまったく見えなかった。

 問題は3人ではなく、ビルドアップがスムーズにいかなかったことにある。

 南野をCFに据えた以上、ロングボールは使えない。ビルドアップと南野のCFはセットになる。さらに久保、三好のプレーにも関わってくるのだが、肝心の組み立てが上手くいかなかったことが前半のパフォーマンスにそのまま反映されたていた。

 後半から遠藤航が入って劇的に変化している。パナマが引き気味になったこともあるが、日本がボールを支配して押し込む流れになり、ようやく前線の3人をどう生かすかが表現できるようになった。

 まず、後方からつないで押し込む。押し込むことでウイングバックの立ち位置が高くなり、幅がとれる。この状態になれば、久保と三好がハーフスペースでプレーできる。南野が少し引いて受ける選択肢も出てくるし、久保と三好に相手が引きつけられれば裏を狙える。前半は個々でしかなかった前線が連動しはじめ、次々とチャンスを作れるようになった。

 その中心にいたのが遠藤で、攻守における貢献度は絶大だった。

 さらに交代出場した鎌田大地と浅野拓磨は2人で立て続けに4回もの決定機を作っている。相手に退場者が出て10人になっていたとはいえ、鎌田から浅野へのパスは強力なホットラインだった。前回遠征でも良いプレーぶりだった鎌田は、遠藤とともに圧倒的な存在感を示していた。

絶対的なのは遠藤航。柴崎岳の序列は…

 3バックは前回のカメルーン戦に続いてのテスト。前半は後方が重くなりすぎて手前を空けてしまい、ミドルシュートを打たれる場面が目立っていたが、後半は前へ出てプレスする形で修正できた。前半はパスの受け手を探して停滞していた組み立ても改善された。後半の出来なら合格だが、前半があるので微妙な印象になる。

 ビルドアップと前進守備が落ち着いた後半は、前記のように「幅」「中間ポジション」「裏」がそれぞれ機能して攻撃が劇的に改善された。遠藤が常にDFからボールを預かることができるポジションをとっていて、守備でもスペースを着実に消していたのが大きい。遠藤からハーフスペースの久保、三好へのパスも効果的だった。

 一方、柴崎岳はミスを連発していて、いつになく不安定。次のメキシコ戦では遠藤を軸にパートナーの組み合わせを探ることになるだろう。森保一監督は柴崎に全幅の信頼を置いて起用し続けているが、この試合を見る限り絶対的なのは遠藤のほうである。

 三好はドリブルでの推進力、ペナルティーエリアは入っていくプレーで特徴は出せていた。久保もPKにつながるパスがあり、後半は持ち味が出た。この2人は中へ入れて味方と連係させてこそ意味がある。前半のようにサイドで孤立させるなら、例えば伊東純也のほうが活躍できる。後半は上手くいったが、前半がもったいなかった。

 前回遠征も含めると、トップ下(シャドー含む)は南野、堂安律、久保、三好、鎌田がプレーしたが、最も良いプレーをしているのは鎌田だと思う。ボランチの遠藤と同様、こちらもこの試合で序列は入れ替わったかもしれない。

(文:西部謙司)

【了】

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