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久保建英 3年前

久保建英のプレーは空回り。20歳の理想と現実の差、U-24日本代表で第一に考えるべきことは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

鎌田大地はいい見本



 東京五輪世代では年少者の1人で、2024年パリ五輪世代から飛び級しているとはいえ、サッカーに年齢が関係ないことを久保は誰よりもよく分かっているはず。であれば、どうすれば周りと生かし生かされる関係を築けるかを自ら率先して模索していかなければいけない。

 A代表で彼と同じトップ下に入った鎌田はまさにいい見本だった。「僕はスーパーな選手ではない分、周りの助けが必要になる」と鎌田は口癖のように言っている。だからこそ大迫や南野拓実らと近い距離で動き、連動性を出そうとつねに意識しながらプレーしているのだ。そのうえで、相手にとって嫌な立ち位置を取り、スキを突いてラストパスやシュートで敵を切り裂くというのは、森保監督にとって「理想的なアタッカー像」ではないだろうか。

 久保自身は代表でもスペインでも目に見える結果を残せていない焦りがあるせいか、「自分が自分が」とエゴイストになりがちだ。時にはそれが奏功することもあるが、今回のU-24日本代表のような急造チームでは空回りするだけ。周囲との関係性が確立していない中、国際経験値で勝る彼が第一に考えるべきなのは、周りを生かしながら自分も生きる術を見出すこと。そうしない限り、U-24日本代表も攻撃は活性化されない。東京五輪では攻撃陣のオーバーエージなしで戦わなければならない。彼に託される責務が大きいことを今一度、自覚しながら、久保にはピッチに立ってほしいのだ。

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