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日本代表 3年前

U-24日本代表、東京五輪に生き残るのは誰? 最後の当落予想、ジャマイカ戦でアピールしたのは…

シリーズ:編集部フォーカス text by 舩木渉 photo by JFA

MF


(◎=当確、◯=有力、▲=当落線上、×=厳しい)

遠藤航【◎】
日本代表戦:12分間出場
U-24ガーナ代表戦:フル出場
ジャマイカ代表戦:フル出場(1得点)

 オーバーエイジ枠。遠藤航が入るだけで、中盤の安定感がぐんと上がる。東京五輪世代はチーム立ち上げ当初から絶対的なボランチの不足に悩まされてきたが、その問題も無事に解決した。どんな相手にも自分の力を発揮できる汎用性の高さも魅力で、相方を選ばない万能さもある。ジャマイカ代表のコーチも日本のキーマンの1人に挙げていた。

久保建英【◎】
日本代表戦:45分間出場
U-24ガーナ代表戦:78分間出場(1得点)
ジャマイカ代表戦:65分間出場(1得点)

 所属クラブでは苦しい1年を過ごしたが、U-24代表では自らの存在価値を結果で証明した。堂安とポジションを入れ替えながら、主に右サイドで攻撃の軸を担っている。このままいけば東京五輪代表選出はほぼ確実だろう。

板倉滉【◎】
日本代表戦:78分間出場
U-24ガーナ代表戦:32分間出場
ジャマイカ代表戦:出場せず

 センターバックとボランチ、2つのポジションでレギュラーを担いうることを示した。オランダでの成長は大きい。日本代表として挑んだ5月末のミャンマー代表戦からフル稼働に近い状態が続き、最後のジャマイカ代表戦はお休みか。試合に出ず評価が下がることはない。

堂安律【◎】
日本代表戦:17分間出場
U-24ガーナ代表戦:67分間出場(1得点)
ジャマイカ代表戦:75分間出場(1得点)

 今回の3連戦から10番を任され、久保とともに攻撃の中心を担う。以前はドリブル一辺倒になって自分のリズムを見失ったこともあったが、周囲との連係に磨きをかけて決定的な存在となった。東京五輪でも日本の攻撃を引っ張る活躍が期待され、メンバー入りはほぼ確実だ。

中山雄太【◯】
日本代表戦:45分間出場
U-24ガーナ代表戦:84分間出場
ジャマイカ代表戦:出場せず

 チームキャプテンの腕章を吉田に譲っても、リーダーとしての存在感は失われていない。とはいえボランチとしてのプレーは失格。メンバー入りするなら左サイドバックとしてだ。有事にはセンターバックもこなせる万能性は魅力だが、もはや絶対的な存在ではない。

田中碧【◯】
日本代表戦:45分間出場
U-24ガーナ代表戦:フル出場
ジャマイカ代表戦:フル出場

 落ち着き払ったゲームメイクで遠藤航とともに中盤を支配した。ピッチを俯瞰して見ているような的確なパスさばきが光る。数少ない懸念点としては、自分たちでボールを持てない時間が増え、より強度の高い試合展開になった時に存在感を発揮できるか。今回の3連戦ではそうした展開にならず、力が試されるような局面も少なかった。とはいえボランチのレギュラー候補の筆頭格であり、東京五輪本大会での招集も有力だ。

相馬勇紀【◯】
日本代表戦:45分間出場
U-24ガーナ代表戦:58分間出場(1得点)
ジャマイカ代表戦:30分間出場

 本命不在の左サイドで猛アピールした。特に先発出場したU-24ガーナ代表戦は、何としてでも結果を残すんだという気概が前面に出ており、最終的に1得点を挙げた。ジャマイカ戦でウィングバックとしてもプレーし、練習ではサイドバック起用もテストされている。両サイド全域をカバーできるユーティリティ性と縦への突破力、セットプレーも蹴れるキックの精度など自分の持ち味を存分に発揮し、左ウィングの一番手に躍り出た感がある。

三笘薫【▲】
日本代表戦:出場せず
U-24ガーナ代表戦:32分間出場(1得点)
ジャマイカ代表戦:60分間出場

 合宿序盤は合流直前のJリーグで負った怪我の影響で満足な練習ができず、調整も遅れてしまった。ピッチに立っても期待されているほどのパフォーマンスを見せられておらず、試合展開のなかで消えてしまう時間帯やミスも多い。所属クラブとは求められる役割やチーム戦術のなかで可能なプレーも違い、やや戸惑っている印象。文句なしで東京五輪本番に招集されるような状況ではない。

三好康児【▲】
日本代表戦:73分間出場
U-24ガーナ代表戦:出場せず
ジャマイカ代表戦:15分間出場

 立場は厳しい。トップ下や右サイドが主戦場になるが、そこには久保や堂安がいて圧倒的な存在感を放っている。そのためアピールの機会が限られ、少ない出場時間の中でも序列を逆転させるようなプレーは見せられなかった。コパ・アメリカで見せたような大一番での勝負強さや、セットプレーのキッカーとしての有用性は十分に示してきており、バックアッパーとしてなら招集の可能性があるか。ジャマイカ代表戦で最後の交代枠が三好に使われたことから、信頼が失われていないのは間違いない。とはいえポジションごとの人数配分に左右される立場になるだろう。

食野亮太郎【▲】
日本代表戦:出場せず
U-24ガーナ代表戦:23分間出場
ジャマイカ代表戦:25分間出場

 所属クラブで昇降格プレーオフに出場した影響で合流が遅れ、3日の日本代表戦には出場でいなかった。その後も足に違和感を訴えて練習を回避したことも数日あり、コンディションが万全でないなかの連戦に。最後の最後でチャンスを与えられたが、決定的な活躍で自らをアピールするには至らず。右利きで自ら仕掛けられるアタッカーが少なく、戦術的なオプションとしては有効だが18人枠はあまりにも厳しい。

遠藤渓太【×】
日本代表戦:45分間出場
U-24ガーナ代表戦:出場せず
ジャマイカ代表戦:出場せず

 U-24ガーナ代表戦ではベンチ外になり、ジャマイカ代表戦では出番なし。5月末にはA代表に合流していたが、U-24代表では極めて厳しい状況にある。試合出場のチャンスが与えられなかったことで東京五輪出場は厳しくなったと見ていいだろう。この世代ではウィングバックやシャドーでも試されてきたが、どのポジションでも便利屋の域を脱せず中途半端だった。また、所属クラブで怪我を繰り返し、出番が限られていた影響もあり、体力面の問題も顕在化してしまった。

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