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Jリーグ 3年前

浦和レッズはなぜ好調なのか?「固定観念を持ちすぎず…」、槙野智章が語るチームの内情【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

ゴールに秘められた狙いとは…



 そして迎えた前半15分、浦和に待望の先制点が生まれる。平野佑一からパスを受けた伊藤敦樹は、絶妙のスルーパスを前線に送った。これに反応したのが関根。強引なドリブル突破で中に切り込み、そのまま右足を一閃した。GK大迫敬介がいったんは弾いたが、右から詰めてきたユンカーが左足で押し込み、1点をリードしたのだ。

「相手のプレスには苦しめられたが、自分たちがン背後を狙うようになってから危険なプレーを多く出せた。相手はハイラインを保っていたので、裏にチャンスがあると。そこを利用すれば相手にダメージ与えられる。パスを1本2本つないで裏に行くことが効果的だと考えた」

 カスタムメイドのフェイスガードを装着したデンマーク人FWは、今季8点目を挙げた秘訣をこう語った。ケガや手術から完全復活した“ユン様”の一撃は広島に大きなダメージを与えた。

 この展開になれば、相手がスイッチを切り替えて攻撃に出てくるのは自明の理。浦和は自陣に引いてブロックを作る時間が必然的に長くなった。相手にはジュニオール・サントスを筆頭に個の力に秀でたアタッカーがいるだけに警戒を強める必要があった。しかし、最終ラインの統率役・槙野を中心にしっかりと意思疎通を図り、相手を跳ね返し続ける。それがラストまで続いたのは、特筆すべき点だ。

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