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Jリーグ 3年前

浦和レッズはなぜ好調なのか?「固定観念を持ちすぎず…」、槙野智章が語るチームの内情【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

槙野智章が感じる浦和の「いいところ」



「監督からスタートポジションの位置は指定されているんです。でも自分たちで固定観念を持ちすぎずに臨機応変にやることは意識してます。相手の立ち位置や自分たちのボールの動かし方、距離感を見ながらうまく指示を出しあいながらやれている。瞬時にみんなで話し合いができているところがすごくいいところだと僕は思っています。実際、ゲームが止まった時、給水(飲水)タイムの時なんかも選手同士でコミュニケーションを取る回数が物凄く増えている。より具体的な話し合いができているのかなと感じます」

 槙野がこう説明する通り、今の浦和はチーム全体が自発的なアクションを起こせるような集団になりつつある。そういう自己解決能力の高いチームでなければ、アジア王者に輝いた頃を越えられない。リカルド監督が約束事を植え付けつつも、選手の自主性や自立心を尊重してくれる点も、今のいい空気を作っているのだろう。指揮官の期待に応えるべく、1人1人が奮闘し、躍動する姿が見られているのは前向きな要素。槙野はその先頭を走っているのだ。

「今季は何としてもACLに返り咲きたい。僕らが2017年に優勝した時も何度か大会を経験して、臨機応変さを養ったから頂点までたどり着けた。その領域に達したいですね」と34歳のリーダーは口癖のように言う。

 順位こそ現時点で7位のままだが、3位のヴィッセル神戸とはわずか3ポイント差まで迫ってきた。ここから本当に目指すべき場所に上り詰められるのか否か……。槙野の牽引力に託される部分は少なくない。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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