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Jリーグ 2年前

ルヴァンカップ決勝、注目すべき3つのマッチアップ。名古屋グランパスとセレッソ大阪に共通するのは…【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

共通点を持つ両者



 フィッカデンティ監督は試合に対する規律重視のアプローチで知られる指揮官であり、彼の率いるチームはいつも非常に組織的な守備をプレーの中心に置いている。現在のチームもリーグ2位の堅守(33試合でわずか26失点)を誇る。

 その一方で、ブレーキから手を離して全力で相手に仕掛けていくゴーサインを出すことは滅多にない。名古屋は優れた攻撃のタレントを数多く擁しながらも、今季のリーグ戦では37得点にとどまっており、最下位の横浜FCより6点多いだけの数字でしかない。

 一方のセレッソはといえば、シーズンを通して調子が安定することはなかった。ここ10年、ほぼいつもそうだったと言えるかもしれない。

 8月末にはレヴィー・クルピ監督に代わって小菊昭雄監督が就任。2011シーズン終了後に2度目のクルピ政権が終了して以来、10年間で11回目の監督交代となった(そのうち2回は、2012年と今季復帰したクルピ監督の退任)。一人の監督がチームを率いた期間は最長でも、ユン・ジョンファン監督(2017年、2018年)と、その後任のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(2019年、2020年)の2シーズンを越えてはいない。

 当然ながらこの期間中に、このチームは安定した戦いぶりを見せてきたとは言い難い。2017年にはユン監督の下で国内カップ2冠を達成したとはいえ、2015年と2016年には2年間のJ2生活を強いられた時期もあった。

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