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Jリーグ 2年前

なぜ大迫勇也はヴィッセル神戸で結果を残しているのか? 「まだ全然、通過点」、31歳が見据えるものとは…【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

結果を残している理由とは?



「自分のゴールが取れているのも、フォーメーションによるところが大。チームが合ってる形に変更できてからは、自分も納得いくパフォーマンスができている。僕と武藤でしっかり前に行けるし、ボールもキープできるので、そこにアンドレスだったり、蛍であったりが絡んでこれる。相手にとってすごく怖い攻撃ができているんじゃないかと思います」

 後半30分のPK奪取も武藤とのコンビからだった。相手のバックパスのミスからボールを保持した背番号11はハーフウェーライン手前からドリブルで独走。マークに来た高橋秀人をかわして右から上がった大迫にラストパスを送った。

 次の瞬間、大迫は対面にいた岩武克弥をドリブルで突破しようとし、ペナルティエリア内でファウルを誘った。主審はPKを宣告。これをイニエスタが決めて、2-0とリードを広げた。神戸にとってはまさに理想的な展開で前半を折り返すことに成功したのだ。

 しかしながら、この一戦を落とせばJ2降格が決まる横浜FCにも意地がある。後半は巻き返しを図ってきた。これに対し、神戸はイニエスタがハーフタイムに下がったマイナス影響もあって、守勢に回る展開を余儀なくされた。

「2-0っていうのは難しい。1点を取られたら試合が分からなくなるし。そこはバランスを見ながら選手たちがよく理解して戦ってくれた」と三浦監督は前向きにコメントしたが、リードを守り切れるようになったのは、今の神戸の強みでもある。大迫も後半28分までのプレーだったが、前線からのハードワークを惜しまず、献身的な守備を見せ続けた。

 武藤や山口、酒井高徳といった主力メンバーも足を止めることなく、最後まで走り切り、そのまま逃げ切りに成功。勝ち点3を追加し、ACL出場権の3位確定まであと一歩と迫ったのである。

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