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Jリーグ 2年前

37歳・鄭大世は「納得できたら辞められるのかな。でも…」。元W杯戦士がJ2で感じる悔しさとやりがい【コラム】

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ベンチで感じたショックと悔しさ

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【写真:Getty Images】

「監督からは『お前は必要だ』と常日頃から言われていました。でも『年齢を考えて追い込み過ぎないように』とも忠告されていたんで、自主練で走るのをやめてたんです。その結果、コンディションが上がらず、監督の考えるレベルになかなか達しなかった。

 序盤戦に出られなかったのを踏まえ、監督とも何度か話し合って強度を上げたら、コンディションがすごくよくなった。追い込めば追い込むほどよくなるのが自分の体なんです。それは長年、プロをやってる僕が一番よく分かっていること。それを理解してもらうまでに時間がかかりましたね」

 7月にようやくスタメンを奪取。東京五輪期間の新潟合宿でも負荷をかけ、万全の体制で8月を迎えようとしていた。ところが、コロナ陽性者が出たことで町田に戻ってから予期せぬ隔離生活を余儀なくされた。加えて想像以上の猛暑に苦しみ、再開初戦となった8月9日の京都サンガとの上位対決を1-2で落としてしまった。そこから再びサブに逆戻りし、出場時間が制限されたことで、ゴール数も伸び悩んでしまった。

「スタメンで出ればもっと点を取れる。サブだと時間が少ないし、チャンスも減るから、数字を伸ばそうと思っても相当厳しい。先発から外されたショックや悔しさを受け入れるまで時間がかかるし、ベンチで我慢してるのもやっぱり疲れる。来年は絶対にスタメンを取り戻さないといけないと痛感したんです」と彼は神妙な面持ちで言う。町田も最後までJ1昇格争いに絡みながら、磐田と京都の上位2強に引き離されてしまった。だからこそ、2022年が勝負なのだ。

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