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日本代表 2年前

サッカー日本代表はなぜ劇的に改善できたのか? 「中堅世代」2人の会話が生んだ修正【コラム/W杯アジア最終予選】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka, Getty Images

修正につながった伊東純也と南野拓実の会話



 迎えた32分。日本は待望の先制点を奪う。相手スローインを遠藤がカットしたのが発端だった。素早く縦につけ、伊東が落とし、酒井宏樹が持った瞬間、背番号14は迷わず縦に疾走。爆発的なスピードで相手センターバックのアリ・アルブライヒ(5番)を抜き去り、鋭いマイナスクロスを入れた。

 これに呼応した大迫と南野がゴール前で交差し、大迫がスルー。ファーで受けた南野が1枚はがして左足を振り抜いた。GKモハンメド・アルオワイスの足に当たったものの、シュートはネットを揺らす。最終予選無得点だったエースナンバー10に待望の初ゴールが生まれ、チーム全体が大いに盛り上がった。

 1-0で前半を折り返すことに成功した日本代表。だが、シュート数こそ3対1と上回ったものの、ボール支配率は43%対57%と下回り、アグレッシブとは言い切れない内容だった。主力数人を欠くサウジアラビア相手とはいえ、攻撃のギアをもう一段階上げないと追いつかれる危険性は高い。そんな戦況を察知した伊東と南野の間ではハーフタイムにこんな会話が交わされたという。

「前半の終わりの方はプレッシャーがうまくはまらなくて、俺と拓実が引きすぎてしまったかなと。後半頭から『もう1点取るぞ』ってことで、相手CBには俺と拓実がプレッシャーをかけてどんどん前に前に行こうと2人で話しました」

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