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日本代表 2年前

サッカー日本代表はなぜ劇的に改善できたのか? 「中堅世代」2人の会話が生んだ修正【コラム/W杯アジア最終予選】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka, Getty Images

注文をつけたいラスト20分間



 ただ、長友と大迫が下がった後半ラスト20分間のゲームコントロール力には少し注文をつけたい部分もある。この時間帯は前田大然が1トップに陣取り、右FWに伊東、左FWに浅野拓磨、左サイドバックに中山雄太と若いメンバー中心の構成だったが、相手も巻き返しを図ってきたせいで、後半開始直後のようなボール奪取や粘り強い守備ができず、自陣に下がり気味になってしまった。

「後半ブロック引くシーンはあったけど、割り切って守る、カウンターを狙うと。チームとしてハッキリしていたので、相手に合わせながらやった」と遠藤は話していたが、そこでも彼や伊東、守田らを中心に主導権を握れるようなチームになれれば、ベテランに依存しない日本代表へと脱皮できるはずだ。

 11月に迫ったW杯本大会の後は、彼ら中堅世代が長友や大迫の役割を引き継いで、新たな代表をけん引しなればならない。特に伊東や南野には、そう遠くない近未来も視野に入れ、より強い統率力と牽引力、影響力を身に着けることが肝要だ。

 同日の試合でオーストラリア代表がオマーン代表に引き分けたこともあり、3月24日のアウェイ戦で日本代表がカタール行きを決める確率は俄然、高まった。前向きな機運に乗って、彼らには今回のサウジアラビア戦で打った布石を今後につなげるべく、最大限の努力をしてほしい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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